ここ数日、トップニュース扱いになっている話題として、難民問題がクローズアップされています。
中東やアフリカからヨーロッパ各地へ、難民がどんどん流入しています。

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当初はヨーロッパの各国も受け入れには否定的でした。なぜなら、ヨーロッパの景気はあまり良くない。
そのなかで難民を受け入れて、支援する余裕がないのです。また、自国民の不満が爆発する恐れもありました。
自分たちは置き去りにして、よそからやってきた難民に手厚い保護をするのは、どうなの?という空気がありました。

ところが、難民の幼い子供の死体写真が出回り、潮目は一気に変わりました。
さすがに各国の首脳も、無視するわけにはいかなかったのでしょう。
ドイツは先日、1万5000人以上の難民をすでに受け入れていると、発表しました。

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難民問題は非常に難しい問題です。各地で争いが起こるたびに、難民は必ず発生してしまいます。
人として、同じ人間を見過ごすことは、道徳上許されることではありません。それは世界共通でしょう。その考えを純粋に守ることができれば、
世界中の国々が、難民支援を素直に引き受けることでしょう。

しかし、国家を預かる政府機関はまず自国民の安全を最優先に考えます。日本も世界の国々も、当然のことです。
今、自分たちの国が難民を受け入れる余裕があるのか。それは財政的にも、思想的にも、国民の声をよく聞いて、政府は慎重に判断しなくてはなりません。
「難民を受け入れて、人道支援をするべきだ」という意見は人道上、もっともな意見です。
ただすんなりと、ことが進まないのが国際問題、国際情勢の難しい面でもあります。

ただ、今回のヨーロッパの対応は遅すぎたと感じます。難民問題は今年の春先からすでに表面化していました。
今回はその数が急激に増えたため、問題が表面化したものです。
前回に引き続き、ここでもメディアの報道姿勢に疑問が浮かびます。

日本の大手メディアの悪い部分の中でも、特に際立つのは問題提起を行わない点にあります。
難民問題が今年はじめに表面化したときは、確かにトップニュース扱いで報じていました。しかし、起こった出来事をそのまま伝えているだけです。
本来すべきことは、原因を追究し、取材を重ねて当事者に話を聞く。さらに今後の見通しと、やるべきことを視聴者に明確に伝える。
そして、日本への影響と、日本政府はなにをすべきなのかを問題提起する。これが大手メディアのすべきことです。

公共の電波を使って、国民に大きな影響を与えているのです。ニュース番組はテレビ局の看板です。
その看板番組を背負って、国民の言論や思想に影響を与えるなら、覚悟を持って取り組むべきです。
海外のニュースショーに比べると、日本のテレビ局のレベルの低さにはあきれかえります。まるで子供と大人です。

話は逸れましたが、日本には海を挟んで難民が流入してくる恐れのある地域が複数あります。
まずは朝鮮半島(韓国、北朝鮮)です。この両国は1950年に約3年間、戦争していました。正確にはアメリカと旧ソ連の代理戦争と言われていますが、
日本からわずか海の向こうで、戦争が行われていました。
なお、知らない人も多いので補足しておきますが、今も戦争状態なのです。(休戦協定を結んで、現在は休戦中)
この朝鮮戦争の時にも難民の多くが日本へやってきました。そして、現在この両国の関係は再び悪化しています。
先日にもニュースで大々的に報じられていましたが、北朝鮮の挑発的な行動で、いつ戦闘が始まってもおかしくない状況です。
もし、戦争になれば難民が出るのは必至です。特に北朝鮮からの難民が日本の北陸に殺到する可能性があります。

この場合、日本政府は対応できるのか?そして。何より今の平和ボケした国民に理解ができるのか?その覚悟があるのか?
たくさんの疑問符がつきます。ありえるシナリオとして頭に入れておかなければなりません。

さらにミャンマーからロヒンギャという少数民族が迫害に遭い、東南アジア各国に難民が流入しています。今年の夏前のことでした。
当初はタイ、インドネシアなどの国が受け入れを拒んでいましたが、何とか国際世論に押され、受け入れに傾きました。
東南アジアの一部に入る日本もその可能性は否定できません。相当な距離がありますが、ありえない話ではないのです。

もうひとつ、インドネシアでは、ほとんどがイスラム教徒です。中東で活動するIS(自称イスラム国)の息のかかったテロリストが東南アジア各国に潜伏している
情報もあります。いつ大規模なテロが起こるかわかりません。安全な日本に移動しようという考えも、ありえない話ではありません。

このようにヨーロッパで起こっている、難民問題は決して他人事ではありません。
日本もいずれ難民を受けいれるか、受け入れないか。そういった議論が起こるときが来るのです。

本来なら責任ある大手メディアが、問題提起すべきことなのですが、低レベルすぎて残念ながらそのような考え方ができないようです。
その代わりに、このブログで国際標準の考え方を皆さんに発信していくつもりです。


記事執筆・Mitsuteru,odo
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