ISやシリアを巡る戦局は日に日に増しています。
これは現実にこの世界で行われている正真正銘の戦争です。
大手マスコミおよび、有識者は「平和主義」を貫き、様々な意見を述べていますが、実際に展開されている軍事的要素を理解できているのでしょうか。
例えば以下のような戦局を皆さんはご存知ですか?

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アレッポ周辺での政府軍と反政府軍との戦闘が激しさを増している。
ハメネイ最高指導者がアレッポの完全占拠を命じ、これまでにない激戦が続いたと報じています。
その結果、最初の数日は、革命防衛隊はシリア軍とともに、アレッポ近郊の複数の村を占拠した。しかし、これに対する反政府軍の反撃のため、戦局は膠着し、2カ月も戦闘が続いているが、新しいことはイラン兵の犠牲が大きく増えたこと。

例えば過去48時間で、革命防衛隊の指揮官4名のほか兵士7名が死亡した。
このため8月以来の革命防衛隊の死者は500名に達したが、その半分は補助の民兵。

記事はアル・アラビアネットから。ブログ「中東の窓」から翻訳記事を一部修正の上、引用。
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4980479.html 
この戦闘はIS戦ではなく、シリア内戦の戦況を伝えたものですが、シリア軍と反体制派の激戦は相当なものです。
イラン革命防衛隊はロシアの空爆支援を盾に、地上作戦をシリア軍と共に展開していますが、戦死者は革命防衛隊だけで500名!

反体制派の戦死者は伝えられていませんが、こちらにも相当の被害が予想されます。
これにプラスIS戦があるのですが、日本の呑気なコメンテーターはこれをしっかりと認識しているのか?
その軽々しい発言を眺めていると、とてもそうは思えません。

私からすれば、軍事力を持つ英国の強面が押し切ったように見えた。日本のように、70年前の大戦以降、他国で戦ったことがない国と英国とは全然違う。英国は長い間、戦争ばかりしている国なのだ。戦っている状態に慣れている。

小林恭子「英国がシリアへの空爆開始 効果には疑問符でも、その場の雰囲気に流されて」
正義が一元的なものではなくなり、いろんな正義があり、それぞれが必死にその正当性を主張している。その「主張」は、言葉によるものに収まらなくなり、デモならいいけどテロにすらなるようになっている。

倉本圭造「テロが当たり前の時代の『あたらしい正義』について」
事態は予想以上に深刻なものです。今、実際に行なわれている「戦争」なのです。


腐っても大メディアの影響力は絶大

日本の有識者の特徴は(これはあくまで個人的見解です)平和主義、あるいは平和な社会の影響で、何か捻じ曲がったような印象を受ける論調が多いように思えます。

実際に行なわれている戦局を全て理解しての発言なのか、疑問です。
一見、高度な方法論を解いているように思えますが、IS戦・シリア内戦を解決に導く問題提起には結びついていません。

日本は戦後、「戦争」を論じることがタブー視されてきました。現在もそうです。
安保法案の賛否では、「賛成」の意志を示すことが、何かいけないことだという空気が流れていました。

それ以前に、「安全保障に関心が無い」という若者が大半です。知識の無い若者が、大手マスコミの真実を報じない報道により騙されているのが、日本の世論の現状です。
そしてそれは、IS戦やシリア内戦においても関連しているのです。


国民の意識を変えるには問題提起をし続けること

もし私が、大手テレビ局の責任者ならゴールデンタイムで政治・国際情勢の討論番組を毎日生放送する。時間は夜7時~9時がいいだろうか。
要は影響力のあるメディアと有識者の発言が変われば、国民の言論レベルは上がるのです。

IS戦の戦局や、シリア内戦の正しい現状を知れば日本人になにができるのか、または日本はどれくらい危険なのか、正しく考えられるのではないでしょうか。
多くの若者がシリアやイラクで激戦が行なわれていることを知らない。戦争が起きていることは少しは理解しているでしょう。しかし、それが日本にどのような影響を及ぼしているかはわからないと思います。

まず、マスコミに求める点は
・IS戦とシリア内戦の戦局を正しく、全てを報じる
・日本のテロへの危険性を問題提起
・政治・国際情勢の重要性を国民に積極的に伝える
・IS掃討の方法論を提示し続ける
・無駄な理想論でIS戦を利用した空想をやめる

私の知るところ、新聞・テレビはISへの空爆に対する批判や政治論だけを述べているだけで、IS掃討に向けての方法論や戦術への提起はしていない。
恐らく知識がないか、その発言に対する責任が取れないためでしょう。
それが日本の言論をおかしくしている原因だということを、マスコミが気付いていないことが悲しい現実です。

TERU

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