混乱する中東情勢は、日本のテレビニュースでやっているようにシリアだけではなく、イエメンでも深刻な事態を迎えています。
日本のテレビ・新聞では全くわからない中東の実態を、世間に知ってほしくて私は記事を書いていますが、中東を知ることが国際情勢の理解にどれだけ役に立つか。
それを若い世代に知ってもらうには、まだ時間が掛かりそうです。

新聞
 

さて、そのイエメン情勢ですが、先日記事をアップした通りの情勢(「時系列分析・イエメン情勢」 http://japan-in-the-world.blog.jp/archives/1056081660.html)なのですが、基本的な構図はハディ暫定政権と、シーア派の過激派フーシ(過激派といっても組織的には十分当時能力がある?)の争いが長年続いて疲弊している現状です。
ようやく国連傘下の和平交渉への流れができ、その前提としての停戦が合意されたのですが、両者の戦闘は一向に収まることはなく、停戦の破棄がささやかれ、和平会議の開催自体が危ぶまれています。
その点ではシリアと似ていますし、イエメン政府にはサウジアラビアやUAEが支援しており、フーシにはイランが支援している現状です。シリアでも代理戦争の様相を呈していますが、イエメンでも同じように大国同士の代理戦争になっているのです。
残念ながら日本のメディアだけを読んでいては、そのような詳しい経緯、裏で操っているプレーヤーの存在はわかりません。
日本人には必要のない情報なのでしょうか。それは全くの誤りで、グローバル化が進み、日本人も海外で活躍する時代であり、世の中の流れもよりグローバルになります。
そこで日本人だけが国際情勢の流れを知らないままでは、世界を相手にできません。


「メディアの鎖国化」が進んでいると、私は考えます。メディア関係者、リベラル派は報道の自由などと言って、政府に求めていますが、捏造や誤報を繰り返すマスコミは十分報道の自由を体感しているのでは?
娯楽誌、夕刊紙など、まともに読めたものではありません。
暴力団や裏の組織から情報を得たのでは、と疑わざるえない内容のものや、特定の思想、団体の影響を受けた報道がかなり目に付きます。
これ以上、報道の自由がこの国に必要なのか?
間違った情報や、煽る表現の報道で国民が惑わされていないでしょうか。または騙されていませんか?
ある特定の思想を代理して、例えば政権批判したり、一人の権力者を報道や世論の力で抹殺してしまう。そのようなプロパガンダにマスコミは手を貸している現状です。


驚いたのは脳科学者で有名な、茂木健一郎氏のツイート。
 


このような考えをされていることに驚きと、失望を隠せません。思想や考え方は人それぞれなので、結構なのですが、何でも政権批判に利用する手法はマスコミとなんら変わりありません。


発行部数や、視聴率、既得権益、地位や名声しか求めていないテレビ関係者しか、日本にはいないのでしょうか?
もう一度皆さん、考えてみてください。日本の民放テレビで信頼して見れる本格ニュース番組が存在しますか?
国内政治はもちろん、国際情勢を詳しく報じる番組は存在するでしょうか。


▼日本のメディアで世界に認められるメディア媒体はあるのか?

ニューヨークタイムズ

WSJ

ルモンド


「メディアの鎖国化」で失われる日本の損失は小さくありません。
なぜ日本のマスコミが、例えばニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナル、ルモンドなどのように世界に認められるメディアにならないか、を考えれば一目瞭然です。
一流メディアはプロパガンダをするのではなく、国の政策を世界中にアピールすることで外交政策を有利に進める手法があります。
定義的なものはまだ研究されていない?と思いますが、アメリカ、ロシア、中国などはある意味メディアをうまく使いこなし、外交戦略に活用しています。
日本が問題なのは、逆にその諸外国に手を貸している現状にあります。中国や韓国に利する報道が多くないですか?これではどちらの国のマスコミなのかはわかりません。
ロシアなどは典型的で、国営通信社やクレムリンに近いニュースサイトが連日のように、ロシアの戦略や実績を強調する記事を載せています。


確かに、マスコミの使命は国家権力の監視です。
日本の場合、それが政権批判に走り、国民の不安を煽り、結果的に諸外国が有利になる報道になってしまっているのです。(朝日の慰安婦問題誤報などが典型的)
沖縄の基地問題にしろ、国防の議論は後回しで、太平洋に進出したがる中国に手を貸していることすら気付いていないようです。(または意識的にやっているか)
政治家のスキャンダルを暴くのは結構なことです。違法な行為は適切に対処されるべきですし、権力の監視としては正当な手法でしょう。


しかし勘違いしてはならないのは、先日の橋下氏の特集記事(「橋下氏が残した偉大な功績とは?」 http://japan-in-the-world.blog.jp/archives/1056001928.html )にあったように、大手マスコミの一人一人の記者が上から目線で、不勉強で、王様気分で記事を書いていること。これではメディアの鎖国化は止まらないでしょう。
日本に何が足りないか、外国から学ぶべき点はどこにあるのか、国際情勢を正しく見極めて日本が取るべき道はどこにあるのか。これらを国民に問題提起することがマスコミの使命なのではないでしょうか。


私は、国際情勢、国内政治に特化した高級日刊紙(思想としては保守穏健派になるが、当然公正な報道をする)を発行しようと起業した経緯があります。しかし資金不足などで断念しました。
自分がメディアとして一つの考え方を発信する大きな媒体があればどれだけ国に貢献できるか、とよく考えることがあります。
だからこそ大きな影響力を持ちながら、日本の国益を害する報道を繰り返す、大手一部のマスコミには憤慨しています。
鎖国化された日本のマスコミ報道を補完するために、今後も情報発信していきます。


Mitsuteru.O

Mail:japan.in.the.world919@gmail.com


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