~この記事の要点~
・バイデン副大統領の予告なしイラク訪問の真意
・ロシア、ラブロフ外相がアメリカにご立腹
・イエメンでアルカイダ掃討作戦が続く
皆さん、お疲れ様です。断片的ではありますが、次々と重要なニュースが飛び込んできますので、お伝えします。
学校や会社、教養として役立てていただければ幸いです。
バイデン副大統領のイラク訪問
これは完全に予告無しだったようで、メディアでは大きく伝えられていますね。(日本ではどうだったか?)
何かのタイミングでよくアメリカは予告無しの訪問をしますけれど、重要な議論の場合と、安全上の配慮もあるのでしょう。なんせイラクですからね。
さて話し合われた内容については、やはり公式には発表されません。いくつかの観測によれば、
・IS掃討のための方針確認
・イラクでの宗派対立に関するデモの解決策の議論
・ISからモスルを奪還することの確認
などが議論された模様
さらにシリアがあのような状況ですから、恐らくイラクにも飛び火しないように、しっかり安全保障面で協力していくとの確約をしたのでしょう。
シリアでは有志連合軍とともにプランB(詳細は過去記事をご覧下さい→シリア和平は事実上崩壊 アメリカのプランB始動でシリアは再び混乱へ)の実施をほのめかしていますから、イラクでも支援を頼む、とイラク政権は思っていたのでしょう。
今後のイラクでの動きが、このバイデン氏の電撃訪問に紐付けられることでしょう。
ロシア、ラブロフ外相の発言
ロシアの外相がご立腹です。何に怒っているかというと、アメリカに怒っています。
その理由は、停戦で合意した反体制派のアレッポからの退去が守られていない!とのことです。
シリア内戦にて停戦合意した際に(実際は何も停戦は守られていないが)米露の間で、アレッポから反体制派を退却することが約束されたのですが、それを守っていないことにご不満のようです。
この地域はヌスラ戦線も活動していて、ロシアが掲げる対テロ掃討作戦に支障がきたす、と主張しているようです。
どういうことかというと、ヌスラ戦線に空爆を実施しようとしても、反体制派が近くに残っているから、攻撃できない、または巻き添えを食らっても知らないぞ、ということ。
実際空爆を何回か実施して、反体制派に被害が確認されていますが、それはあくまでもヌスラ戦線やISを標的をしていて、反体制派を狙ったものではない。退却せず、近くに残っているお前たちが悪いんだ、と言っているのです。
反体制派を支援するアメリカに、その懸念を伝えたという構図です。
難しい問題です。停戦の内容が内容なだけに、反体制派にも責任があるとは言えますが、それを承知で空爆を実施するロシア、シリア軍も批判を浴びるのは当然です。
停戦の障害になっているのは両軍の意思だけでなく、過激派組織の存在もあるからです。ひとえに停戦を守れ、と言っても過激派の攻撃やテロを抑止するために空爆は実施するべきです。
今後も議論の余地はありそうですね。
イエメンでアルカイダ掃討作戦
サウジ軍を中心としたアラブ連合軍が、イエメン南部で積極的な掃討作戦を実施した模様です。
アデン・タエズを中心とした作戦で、ラバジェでの作戦はアルカイダの拠点にアパッチヘリを出撃させたようです。
凄まじい攻勢です。先日もイエメンでアルカイダ戦闘員800名を殺害させていますから、アラブ連合は本気です。
しかしアルカイダの戦闘員は何人いるんだ!?という感じですね。
しかもアルカイダはこの攻撃の空爆の報復として、イエメンの交通局長を暗殺しています。反撃する力もまだあるということに驚きです。
このような大規模な戦闘がイエメンで行なわれていることを、日本人のどれだけの人が知っているのか...。
イエメンでは和平が進んでいるようですね。アラブ連合がアルカイダを攻撃して、あとはフーシが過激な行動に出ず、イランが何もしなければ、イエメン和平は合意に達するかもしれません。
ちなみに続報で、シリアで米露の停戦合意が発表されたとのニュースが飛び込んできました。
日本のマスコミも取り上げていますが、正しいものではありません。両者の発表に食い違いがあることを見逃してはいけません。
・アメリカの発表では停戦地域の限定はされていない、としている
・ロシアの発表ではラタキアで72時間、ダマスカスで24時間の停戦、としている
日本メディアは正しい情報を公正に発信して下さい。頼みます。
このニュースに関する詳細と分析は、別のニュースサイトでの執筆以来をいただいたので、そちらに書きます。またご報告させていただきます。
一日お疲れ様でした。
Mitsuteru.O
引用参考元
・CNN
・スプートニク
・アルジャジーラ
・アル・アラビアネット
Mail:japan.in.the.world919@gmail.com
コメント
コメント一覧 (2)
「ヌスラ戦線に空爆を実施しようとしても、反体制派が近くに残っているから、攻撃できない、または巻き添えを食らっても知らないぞ、ということ」←と言うより事実上は一体化している。
いわゆる「穏健な反政府武装組織」の実態はアルカイダ(デ一タべース)。
名前がISだろうが、アルカイダだろうが、タリバンだろうが、テロリストのリスト・タグが違うだけ。
実態はアメリカ好戦派やイスラエルが育成。ロックフェラー財団等の巨大資本の利益の為に、日々テロ行為を繰り返しているだけ…
確かにその通りで、空爆に関しては完全にロシアの言い分ですよね。
問題はアメリカが反体制派(過激派も含む)の育成に何を求めているのか。
アサド政権を崩壊させるため、または戦争で金儲けがしたいだけなのか。
私はあくまでスタンダートに、国際情勢論で論じているので、書きません。
その中でシリア和平がどのような結末を辿るかは興味深いですが、恐らく和平は破棄、アレッポ周囲で大規模な戦闘が起こるでしょう。
すべて米露は想定済みですね。
またコメントお願いします。
ありがとうございました!