ベルギーがIS掃討作戦の強化のために、これまでイラクのみで空爆を行なってきたが、今回シリアでの空爆にも参加することを決定した。

ベルギー

時事通信・ブリュッセル支局によると、ベルギー政府は13日、イラク領内で参加している、米国主導の有志連合による過激派組織ISへの空爆について、対象をシリアにも広げる方針を決めた。
 
AFP通信によると、ミシェル首相のスポークスマンは、シリアでの空爆は「国連安保理決議に沿ってISやその他のテロ組織が支配する地域に限定する」と述べた上で、7月1日から開始すると明らかにした。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016051301147&g=isk


現在有志連合軍は、 アメリカ、フランス、カナダ、イギリス、オーストラリア、オランダ、ベルギー、ドイツ、デンマーク、ヨルダン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーンで構成されている。
この指揮を執っているのはアメリカで空爆実施回数もアメリカが単独して行なう回数が圧倒的に多い。
CNNの資料を参考にしてみよう。

CCN資料1

このようにアメリカ主導による作戦であることは明らかである。
ベルギーはブリュセルテロへの報復として、シリアへの空爆を始めるようだが、有志連合の作戦の大幅な変更はないだろう。もちろんベルギーがシリアのISに空爆することで、少しばかりの効果は期待できるが、今後もアメリカが主導権を握り、IS壊滅を目指していくと思われる。

ISに空爆を行なっているのは有志連合だけでなく、ロシア、さらにアラブ連合による空爆も実施されている。
アラブ連合による空爆は小規模なものだと伝えられているが、もはやISは全世界の敵であることを証明している。ここもCNNの資料を示したい。

CNN2

やはり戦闘機の数だけで見てもアメリカが突出している。
次にフランスとなっているが、やはりロシアの存在が際立つ。
ロシアは有志連合軍には参加せず、ISの空爆を行なっているが、軍事オペレーションの視点で考えたとき、ロシアはアサド氏の要請のもと、シリア国内の基地を利用している。ということはISの拠点にも近く、本来なら対IS戦で一番の成果を出さなければならないはずである。ロシアがISに対しての最前線に立っているということだ。

しかし、ロシアはアサド政府軍と協力して、反体制派にも空爆をしている。このような余計な軍事オペが、IS壊滅への道のりが遠ざかっているのである。

しかしIS壊滅作戦は確実に効果が出ている。
ISはラッカで非常事態宣言を出し、守りを固めているようだ。しかしこの非常事態宣言なるものが、何かのサインなのか。外国に眠るホームグロウン、ローンウルフ型のテロリストが動く恐れもある。注意したい。これまでも状況が苦しくなったときに大規模なテロを繰り返してきたからだ。

日本も、シリア支援に介入することが決まっている。
軍事作戦に関わる必要はないが、シリア内戦終結、ISの掃討作戦が終了すれば、ただちにシリアの復興に全力で取り組んでもらいたい。それが国際貢献というものである。


Mitsuteru.O

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