伊勢志摩サミットは、本日(27日)に閉幕する。先進国の首脳会議という性格上、どうしても経済・財政状況の討議が中心となるのだが、経済以外での主要なテーマのひとつにテロ対策がある。
むしろ私は世界経済よりもテロ対策を主な柱に据えて、共同声明を発表してもらいたいと思っている。大都市に大規模なテロが起こってしまうと経済や市民の暮らしさえも壊してしまうからだ。
今回は、G7でテロ対策に関する討議の内容と、今後の課題を指摘したい。

G7


テロ対策の討議は26日夜のワーキングディナーで行なわれた。夕食をしながらよく会議などできるものだな、と思うのだが、大方事務レベルでほぼ合意できているのだから問題ないのだろうか。
そのワーキングディナーで安倍首相はテロリスト流入を防ぐための水際対策や、中東地域の人材育成の重要性を提案した。「テロの根源にある暴力的過激主義への対策が必要だ」と述べ、テロリストがなぜ生まれ、どうすれば過激思想を防ぐことができるのか討議した模様。イスラム過激主義の台頭はもう何年も前から、その対応と抑止のために世界規模で取り組んできたが、結局現在のような混乱が続いている。何世紀も前から続く、欧米とイスラム過激主義の戦いは今後も続いていくだろう。


テロ対策で一番重要なのは2つ。以前にもこのブログで指摘したが、まず1つめは過激主義を生まないようにするための教育である。(5/17付け 「教育の充実は長期的なテロ対策」)
もうひとつは資金源の遮断だ。テロ攻撃は当然、武器や爆薬の調達、移動手段、偽造書類の作成など、多くの資金が必要になる。テロリストへの資金供給はどこから流れてくるのだろうか。
ISが台頭した当初はサウジアラビアが援助を行なっていた経緯もあるし、イランがヒズボラとの関係を強めたり、と国家としての資金援助があるのも事実である。過激派や武装勢力を利用して、自国の国益を得るという手法が取られているようだ。


さらに企業経営者や日本でいうヤクザのような裏組織が、テロリストに資金供給し、何らかの見返りを求めたりしている。その手法は、銀行からの送金が今でも多く使われている。なぜ銀行はそのようなことを容認するのか?という疑問が生じるが、理由はごく簡単なことで、銀行側から見ればテロリストや資金供給側の悪人も「顧客」であり、リスクを背負う代わりに高い手数料を設定しているのだ。まさにビジネスである。もちろん資金の流れも顧客から顧客へ何回も移動させ、CIAを代表とする各国の情報機関に発覚しないように複雑化させている。


そこで今回のG7では資金源対策に言及。官民の連携を強める、とする内容が盛り込まれる予定だが、この官民の中の「民」は当然銀行のことだ。資金援助は現金で持ち込まれることはないので、銀行に顧客リストの提示、資金の流れを確実に開示することが求められる。資金がなければテロ攻撃は不可能だ。
今後は現在行なわれている、シリア・ラッカと、イラク・ファルージャのIS壊滅作戦の行方を見守り、その後は資金供給の遮断、ISが運営する油田や武器庫の破壊などで、IS壊滅の道が見えてくるのではないだろうか。


Mitsuteru.O


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