7月10日投開票の参院選が公示され、いよいよ選挙戦がスタートした。しかし選挙の時期だけ盛り上がる日本の政治への接し方は、そろそろ改善すべきだと考える。政治は1年中動いている。また国民である私たちは毎日のように税金を納めているにも関わらず、なぜか日常から政治に興味を示さない。


▼”中間選挙”である参院選が始まった
 参院選


「無関心で無責任だが、言うことは言う」
そんな空気が日本に漂っている。政治に関心を持つ若者には失礼な言い方だが、大多数の若者は無党派層であり、もしくは大人の偏った思想に惑わされ洗脳された、「意思を失った有権者」である。これらは多くの場合、後々になりその過ちに気付くことになるのだが、果てしてその時私たちの祖国はどのような状態になっているのだろうか。


さて、参院選が始まった。各党の代表や立候補者が街頭で演説を始めた。昨日は公示初日と言うことで熱の入った演説が全国で繰り広げられたようだ。


安倍内閣総理大臣・自民党総裁
「確かにアベノミクスは道半ばだ。だからといって、この政策をやめてしまえば、暗く停滞した時代に逆戻りする。やるべきことは今の政策を力強く前に進めていくことだ」

民進党・岡田代表
「安倍政治の暴走を止め、新しい政治の風を吹かせる一日が始まった。まず(憲法改正の発議を可能にする参院の)3分の2(議席)を取らせないことだ」

公明党・山口代表
「経済再生、デフレ脱却の道を目指し、着実に結果を出してきた。これまでの成果を生かし、社会保障の充実などに向けていく。成長と分配の好循環を作り出すのが公明党の進める道だ」

共産党・志位委員長
「この選挙で二つの目標にチャレンジする。第1は野党と市民の共闘を成功させ、全国32の1人区全てで自民党を倒す。第2は共産党の躍進を必ず勝ち取る」

おおさか維新の会・松井代表
「今回の選挙のキーワードは『せこい』だ。大阪府庁や大阪市役所では、鉛筆1本、紙1枚むだにしないよう、細かく使うのが当たり前だ。大阪で行っていることを全国でやれば増税する必要はない」

社民党・吉田党首
「今度の参議院選挙は、憲法を守らない『安倍政治』の暴走を止める選挙だ。『安倍政治』の対極にあるのが社民党の政策であり、社民党が守ってきた平和憲法を生かして、戦争をしない国を目指そうではないか」

生活の党・小沢代表
「これ以上、アベノミクスのエンジンを吹かされたら、国の将来も、国民の生活も、全く危ういものになってしまう。次の衆議院選挙まで自民党政権はかわらないが、安倍総理大臣だけはかえなければならない」

日本のこころを大切にする党・中山代表
「憲法は民族の発露であり、日本の伝統や心が入っていなければならない。独立国家として国民や国土を守る、この国家の意思を明確に示し、国際社会で信頼される国を作らなければならない」

新党改革・荒井代表
「アベノミクスを成功させるためには、エンジンを吹かすだけではできない。家庭にハンドルを切って進んでいかなければ問題は解決しない」

(読売新聞・NHKから引用)


▼日本の領海付近で中国船は毎日のように活動しているが...
尖閣
 

今回の参院選の争点は、安倍政治の評価、経済政策、安全保障、憲法改正、子育て支援などと、主要マスコミは報じている。私個人が考える争点は間違いなく安全保障だと考えるのだが、皆さんはどうだろうか。
私はマスコミの報道にかなりの違和感を覚える。日本が抱える最大の問題は間違いなく安全保障の問題である。当然、経済も子育て支援も社会保障も大事である。しかし中国や北朝鮮の動きを見ればよくわかることだが、日本は明らかに国防の危機に瀕している。


マスコミや一部の野党は、安全保障の議論を意図的に隠している。もし、日本の今の状況が他の国であれば、間違いなく選挙の争点は国防の議論に集中するはずだ。日本で安全保障の議論が活発化しないのは、危機が足りないのか、または日本の国防体制が変化することを恐れる中国の肩入れをしているしか考えられない。
国家のために働くべき国会議員が、国を売る行動をしている。また言論において国民へ公正・公平な報道を提供し、あらゆる考え方を民主的に提供する役割であるはずのマスコミが日本を陥れる報道を繰り返す。
それらは、日本の未来よりも、あたかも中国に利する考えがあるからではなかろうか。


多くの人がこの現状を理解しているにも関わらず、一向にこの問題は改善しない。中国海軍が日本の領海に侵犯しても、北朝鮮がミサイルを発射しても、韓国でIS関係の過激派が逮捕されても、(韓国での出来事はどれだけの人が知っているのだろうか?)平和安全法制に反対する人々は何も発言をしない。これが欧州や他の先進国だったら間違いなく選挙の争点は安全保障になるだろう。
先ほどの各党の第一声を見ていただければわかるが、民進党の岡田代表の発言にしても、「安倍政権を打倒するため」「安倍首相の暴走を止める」などのような抽象的な表現しかできていない。
つまり政策で勝負できないのだ。話にならない。


参院選は「中間選挙」であり、政権選択の性質を持たないこともあり、確かに現政権の中間決算の要素もある。その意味での野党の政権批判なら常套句なので許せるが、具体的な政策議論と対案が無いための悪あがきに映る。
「安保法案は違憲、戦争法案」とただ叫ぶだけでは、中国や北朝鮮の脅威から国民を守ることはできない。多くの国民はそのことを理解しているし、それは世論調査を見ても明らかである。
ただ、周りに流されて自分の意思の無い投票をする方も存在するので念を押しておくが、日本が抱える危機に応える政党はどこなのか。それをよく考えて7月10日を迎えてほしい。


Mitsuteru.O


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