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 内閣改造が断行された。布陣は盤石と言える。様々な問題点がマスコミ各社で指摘されているが、本気でそう思っているとは思えない。マスコミは批判する体質なので致し方ないが、あまりにも国民を馬鹿にした報道である。

新内閣

 安倍首相を支える菅官房長官、麻生副総理兼財務相、岸田外相が留任し、屋台骨は揺るがない布陣となった。自民党執行部の人事にしても谷垣氏の自転車転倒事故は誤算だったが、幹事長に二階氏、総務会長に細田氏、政調会長に茂木氏などとほぼ理想的な人事となり、安倍政権を支える体制は十分に整ったと考える。

 注目は稲田防衛大臣である。前回でも指摘したとおり、日本周囲の安全保障環境は日増しに深刻さを増している。就任当日に北朝鮮が秋田沖に弾道ミサイルを発射させたことがそのことを物語っている。改めて指摘しておくが、北朝鮮の核の脅威は日本の国防にとって極めて深刻な事態である。ノドンミサイルによって日本のほぼ全域が射程圏内に入っており、その正確さは実験を繰り返すことで精度を増している。北朝鮮にミサイル発射実験を禁じた国連決議などあってないようなものである。制裁を発動して周囲国は圧力を掛けているように思えるが、北朝鮮は自制するどころか、挑発をエスカレートさせている。

 弾道ミサイルは一度大気圏に突入することから、迎撃することが困難になる。PAC3の性能は確かだが、100%迎撃できるとは限らない。しかも今回は秋田沖のEEZ内に着弾した。EEZ内に着弾したのは初めてのことである。航行の自由が確保されている海域とはいえ、日本の漁民に被害が出る可能性は十分にあった。EEZ内に着弾する恐れがある場合は、迎撃することも視野に入れるべきではないだろうか。その判断が稲田防衛相にできるかどうか。これから中国、北朝鮮の挑発は高まっていくことが予想されるなかで、その手腕が問われることになる。
 
 安倍首相の側近だった世耕氏が経済産業大臣に任命された。世耕氏といえば安倍政権下で長年官房副長官を務め、首相の側近中の側近だ。経産相というポストは非常に重要なポストであり、安倍首相が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けての主要な省庁である。その重要な役割を信頼のできる世耕氏に託すことはまさに適材適所であろう。内閣も自民党も強固な布陣を敷いた印象であるが、稲田大臣就任を見れば「攻め」の姿勢も崩していない。今回の人事は谷垣氏の事故は想定外として、ほぼ理想通りの人事になったのではないだろうか。

 古川光輝

 

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