昨日の安倍首相の共同会見の発言要旨に続いて、トランプ大統領の注目すべき発言についても取り上げたい。
トランプ大統領の言動で国際社会が混乱しているのはご承知の通りだが、本質を見誤っては今後の情勢を読むことができない。トランプ氏がどのような人物であるかは、一連の発言で明白になった。重要なのは今後、日本はトランプ氏とどう向き合うかである。

トランプ氏の発言を踏まえて、今後の日米関係を分析していきたいと思う。

日米首脳会談
 
トランプ米大統領・共同会見での注目発言

「両国の結びつき、両国民の友情はとても、とても深い。この政権は、こうした関係を一層緊密にしていく決意だ」

大統領就任前や会談前のトランプ大統領の発言を考えれば、日米同盟の重要性と緊密さを強調したこの言葉は少し驚く。トランプ政権発足後の国際社会の反応は総じてネガティブで、特にメディアを通じてトランプ・ネガティブキャンペーンが展開されたが、安倍首相は心から信頼できる相手であると確信したからこその発言だと考える。

「防衛体制と防衛力は、相互の指導力の下で、時間と共に強靭になり、究極的には鉄壁のものとなるだろう」

軍事的プレゼンスの向上を明言しているトランプ大統領だが、南シナ海、中東情勢に対してどう向き合うかに注目されている。この発言は当然日米同盟を基礎にした発言だが、「究極的には鉄壁のものとなるだろう」と自信を込めて語っている。これは何を意味するのだろうか。日本にとって安全保障上の脅威は北朝鮮より中国である。

中国は南シナ海全体を中国の領海だと主張していて、南シナ海の航行の自由を確保したい日米両国は絶対に中国の好き勝手を許してはならない。トランプ氏は絶対に南シナ海問題を無視することはない。南シナ海が中国の物になれば、米国の国益を損なうからである。よって必然的な軍事衝突が起こる可能性は非常に高まっている。その時、最大の同盟国である日本がどのような行動をとるか。すでに密約が交わされているかもしれない。

「日本は豊かな歴史と文化を有する誇り高き国で、米国民はあなたの国とその伝統に深い尊敬の念を抱いている。首相、私はこの機会に、あなたと日本の国民が米軍駐留を受け入れてくれていることに感謝する」

あのトランプ大統領がこんな発言をするのか!と驚くほど、日本に対して敬意を払う内容である。「日本は豊かな歴史と文化を有する誇り高き国」という部分は本来、私達日本人が全員心に思っておくべきことではないだろうか。それを米国の大統領が発言したことに驚きながらも、若い世代の日本人は自分達の国を誇りに思っているのだろうか?とも感じた次第である。

言い方は悪いが、嫌われ者のイメージのあるトランプ大統領の手なずけ方を安倍首相は独特の感性と観察力で把握しているのだろう。トランプ大統領は自分の意見を真摯に聞いてくれる人物を好み、味方に対しては厚遇すると聞く。

日本なら例外でそうなのか、というわけでなく、やはり安倍首相が混迷していた日本政治を安定させ、国際社会にも影響力のある指導者であることがトランプ大統領の心を揺さぶったのではないだろうか。国際社会でも存在感を放つ指導者でありながら、人柄の良さも感じ取ったトランプ大統領は、日米同盟を軸にしたアジア戦略を練ることになるだろう。

その試金石は南シナ海での対応だ。このまま南シナ海のシーレーンを中国に渡すわけにはいかない。オバマ前政権の弱気な政策のせいで、米国の国益が損なわれ、国際社会に混乱を巻き起こした責任も、トランプ大統領は背負っているのかもしれない。

しかし日米同盟が基軸であることはいつの時代も変わらない。安倍ートランプ同盟で、日米同盟はより積極的に国際社会への貢献を果たしてもらいたい。そのような期待を十分に抱かせる、日米首脳会談であった。


Mitsuteru.O