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米軍が化学兵器を使用したとされるシリア空軍基地を攻撃したことが様々な議論を呼んでいる。

トランプ


ひとつは強い米国が復活することで国際社会に安定をもたらすこと。化学兵器や核実験を繰り返す「ならず者」や「テロ支援国家」はいずれかの国が取り締まるしかないという考え。

次に米国の軍事行動は侵略行為であり、そもそも化学兵器を使用したのはシリア政府なのか、反体制派なのか、ISなのか、不確かなまま攻撃をしたことは、イラク戦争開戦時の大量破壊兵器を理由にした時と同じ理論であり、間違いは明らかであるという主張。

物事には必ず、賛成と反対が存在する。両者の見解は正反対であり対立を呼ぶことは日常茶飯事である。

何が正しいかは今を生きる我々にはわからない。予測や仮説は立てられるが、正しいかどうかは歴史が証明することなのだ。

我々ができること、我々が考えるべきことは、「現時点で賢明な選択であるかどうか」である。

そこでシリア内戦を考えてみよう。

数年に及ぶ内戦で、国民の生活は疲弊し、多くの難民を生み出した。この責任は間違いなくアサドにある。統治することができなかった責任は間違いなく指導者の責任だ。

反体制派は平和的な政権転覆を選択せず、武力での戦いに望んだ。それを欧米各国が支援した。一方シリアへの影響力を保持しておきたいロシアはアサドを守り、欧米・アラブ連合vsロシア・イラン連合の代理戦争の場と化してしまった。

そこから歯車は狂い始め、国家の能力が脆弱になった隙をISが入り込み、一時期、シリアの約3分の1を支配下に収めてしまった。

この時点でもはや手遅れであり、国連が動いたところで、当事者が内戦介入国なのだから何もしようがない。国連が機能不全になり、できることと言えば難民対策のみで、肝心の内戦終結は遠退くこととなった。


では、この内戦をどのように終わらせるべきだろうか。


政府軍と反体制派の戦闘が自然に終わり、そのまま和平が締結されることは100%ない。
お互いに後ろ楯があり、それぞれの当事者の国益に関わることだからだ。

こう考えてみてはどうだろうか。米国はここまでシリア内戦が長引くとは思っていなかった。ロシアも同様である。

米国はオバマ前大統領による中途半端な介入が間違ったことに気付いたのだろう。しかし内戦終結のためとはいえ、後戻りできない。

そこで化学兵器使用のニュースだ。

米国が化学兵器を使用したのは政府軍だと断定するのは当たり前のことである。反体制派が使用したとなると米国は直ちにシリアから退場することになる。

トランプは一度アサドに対して融和的な態度を示したが、これは完全に演技である。当初からティラーソンやマティスの案に賛成していたのだろう。

化学兵器という悪の象徴をアサドに着せ、国際社会の理解を得ようとする手法は米国の常套手段なのだ。だからこそ世界の警察と名乗る。日本の警察も同じだ。冤罪がなくならないのはこの理論があるからだ。正義は正しいと宣言することができる。そこには早いもの勝ちの側面もあるかもしれない。

個人的には化学兵器を使用したのは政府軍だと思う。この機会を待っていたのかも知れないし、誘導したのはCIAかも知れない。

それだけ強かな国家であることは間違いない。それはロシアも同様だが、ニュースをそのまま見ていては真実にはたどり着けない。常に裏があり、それを様々な情報を分析し、導いていくしか、私たち一般市民は賢くなれない。

米国はこのまま世界の警察を続けていくのだろうか。行く末は不確かだが、トランプは本気かも知れない。


mitsuteru.O