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すでに全世界でセンセーショナルに報道されている米国全土で広がるデモの過激化は白人と黒人の分断である、と日本の各メディアは報じている。しかし実際のところそんな生半可なレベルでの話ではないし、「分断」は何も今に始まったことではなく、米国の建国以来常に付きまとう問題なのである。日本のテレビニュース、ワイドショーでは事実はわからない。多くの視聴者はそのことに気付いているが、娯楽の一部だというくらいの気持ちでコメントするコメンテーターには本当に腹が立つ。米国は例えばCNNの報道を見ていてもその危機感がむき出しだ。ニュース司会者がトランプ大統領を痛烈に批判し(批判というよりかは存在そのものを否定しいるくらいの勢いだ)デモへの武力での制圧を民主主義の終わりだと言っている。



ここまで正直に痛烈に事実を的確に言い当てて批判できるのは日本では橋下徹氏だけであろう。見ていておもしろく説得力があって事実を言っている。これほど痛快なものはない。それは結果を出しているからなのだが。つまり信頼されているからである。トランプ大統領は確かに選挙公約を実行した。中国への関税も、外国駐留基地の負担増も、NATO加盟国への負担増も、国境の壁も。しかし肝心なことを忘れていた。それらを含むトランプの政策が米国民を幸せにしたかどうかである。株価上昇と数字だけの景気回復は富裕層だけを喜ばせ貧困層から庶民の間は恩恵を受けることがなかった。(これは日本も同様である)一部支持者にはトランプのことが神に見えるだろうが、米国が抱える根本的な問題の解決には手をつけなかった。むしろ今回の事件で火に油を注いだ結果となった。

CNNのキャスターがこう言っていた。「これが多様性のある国家なのか」まさにその通りだなと感じた。警察官が検挙しようとした際に絞め殺したというのだから。これは何も黒人であろうが白人であろうがとんでもないことである。たまたま今回黒人がまた犠牲になった。事実を整理すればこのような形に収められるが、米国人からすれば「また黒人か!」となるのである。国には国それぞれの問題がある。しかし米国の社会の分断と簡単に言い、今始まったかの報じ方をするメディアは日本の恥だ。米国がどのような形で建国され、白人と黒人がなぜいがみあうのか。テレビはその説明から始めたほうがいいのではないだろうか。

てる


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