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カテゴリ:中東

特集 米国のアフガン政策に変化 タリバンの春の攻勢を警戒か

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<特集>

長年のアフガン政策も水の泡 
完全にタリバンが息を吹き返した

タリバン


・タリバンの「春の攻勢」がアフガンの混乱要因に
・米国もアフガンの増派を検討
・中途半端な介入は混乱に拍車を掛ける恐れ


タリバンの暗躍にトランプも我慢ならず


アフガニスタンで長年介入してきた米国は多くの決断を行わなければならない。アフガンが本当に民主主義国家になって、平和が訪れるなどという幻想を本当に当時の米政権は思っていたのだろうか。多くの民族が交じり合うこの荒野で、米国が主導して「作られた民主国家」が本当に実現するとでも思ったのだろうか。


日本もかつては米国に占領され、米国の意向に沿った憲法を作られ、日本は戦後復興を成し遂げ経済大国にのし上がった。それは日本人という民族性が成功の大きな理由に挙げられる。では同じようにアフガン人やイラク人、シリア人が日本と同じように我慢強く、礼儀正しく、寡黙かといえばそうではない。米国に作られた民主国家など中東の人々は望んでいないのである。


アフガン

(隣国にイラン、パキスタンを抱えるアフガン。考えて見ればここに米国主導の民主国家が実現するわけがない)

米国ができること。それはもはや限られている。次のニュースのように過激派の指導者を一人ひとり抹殺していくことである。


「アフガニスタンのIS指導者を殺害、米軍・アフガン政府」

米軍によると、10日前にアフガニスタン東部のナンガルハル州で実施した両国の特殊部隊の合同作戦で、ハシブ幹部を殺害したという。
ハシブ幹部は、今年3月に軍の病院が攻撃され、少なくとも50人が死亡した事件を指示した人物だとみられている。
ハシブ幹部は昨年、前任者が米軍のドローン(無人機)による攻撃で死亡したことを受けてISのアフガニスタン地域組織の指導者に就いていた。
ハシブ幹部は3月の軍病院攻撃の首謀者だとみられているものの、アフガニスタンの安全保障専門家の一部は、同国では依然として小規模だとされる集団が大規模な攻撃を計画・実施できるのか疑念があると指摘している。



オバマ前政権で完全に中東政策を間違えた米国は立て直しを迫られている。しかしすでに時遅し。かつて米国を苦しめたアルカイダも、アフガンで暫定政権を気付いたタリバンも、完全に息を吹き返したのである。その原因は「中途半端な介入」である。


基本的に紛争解決には2つの手段しかない。戦争を終わらせるには
1、一切介入はせず、当事者同士の戦闘が終わるまで待つのみ。犠牲者は増えるがそれが戦争の基本的な姿勢
2、徹底的な軍事介入。一方の勢力に完全に同化して、戦いが終わるまで徹底的に戦う
しかし、2の場合、戦争終結後の復興、法整備なども完全にこなすことが求められる。それができなければ不完全な介入となる。


米国はイラク戦争の当事者であり、戦後復興と民主化への後押しを本気でやっていたに違いない。それは間違いない。しかしイラク人の非協力的な姿勢と、民族性に翻弄された現地の米国人職員は「イラクに民主化など無理だ」と後に発言していることから、現場レベルではあきらめムードが漂っていたという。


さてトランプ大統領の手腕は今のところ存分に発揮していると思うが、中東政策に関してはまだ様子を伺っている。とりあえずタリバンをこのまま放置するわけにはいかない、という姿勢を見せたのが次のニュースだ。


「トランプ大統領にアフガン増派提案=タリバンへの圧力強化-米紙」

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、米政権の外交・安保担当高官らがトランプ大統領に、アフガニスタンへの米部隊増派を含む軍事関与拡大を提案したと報じた。反政府勢力タリバンへの圧力を強め、和解のための交渉の席に着かせるのが狙いとされ、部隊撤収を進めたオバマ前政権の方針が大きく転換する可能性もある。
 関与拡大案は、現在約8400人の駐留米部隊を少なくとも3000人増派。戦地での米部隊の行動制約も緩和し、従来は認められなかった状況でもタリバンへの空爆が可能になる。トランプ氏は25日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議までに、同案を承認するか否か最終決断を下す見通しという。



重要なのはこのあとだ。このまま増派したままで終わることがあってはいけない。それでは「中途半端な介入」に終わってしまう。タリバンやアルカイダはそれを狙っている。中途半端な介入をしのげば何とかなると思っているのだ。このまま増派をし続けアフガンを占領・統治するか、あるいは完全に撤退するか。紛争解決にはその両者しかないのが国際社会の現実なのだ。


Mitsuteru.O
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米国がクルド民兵に武器供与 ラッカ奪還へ

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<breaking news>
・米国防省がクルド人部隊YPGに機関銃や装甲車などの武器を供与
・ISが首都と称するラッカ奪還はYPGの部隊が必要と指摘
・クルド人と対立するトルコの反発は必至


中途半端な介入がシリア内戦の混乱に拍車



何度もクルド人部隊YPGに向けて武器供与すべきかどうかの議論は行われてきたようだが、正式にトランプ大統領が承認した模様。対IS戦でラッカ奪還は有志連合軍にとって大きな目標となっているので、何としても成功させるべき作戦だが、同盟国のトルコの反発は必至で、IS戦に支障が出る可能性も否定できない。


そもそも中東地域において、各国の中途半端な介入が混乱に拍車を掛けているのは周知の通りだ。アフガニスタンやイラクの混乱を見ればわかるとおり、現地部隊や各国共同の中途半端な作戦が成功した事例は少ない。


オバマ前政権によるイラク撤退やアフガン撤退によって反米勢力や過激派が息を吹き返したのは言うまでも無い話であって、それがいずれシリアでも起こりえることを頭に入れておくべき。アサド退陣は今となっては夢物語で、シリアを民主主義国家にすることはもはや不可能である。


もし、米国がシリアを西側諸国の一員にしたいのであれば、大量の米軍を投入し、10年、20年のスパンで米軍を駐留させ、民主主義が根付くまで辛抱強く続けるべきである。戦後処理とはそういうことであり、太平洋戦争が終結したあとの日本に何年間も占領し続け、日本を信頼できる同盟国にしたことを思い出すべきで、我々日本人もそれを経験しているのだから、余計に今の米国の中東政策に疑問を感じるところである。

多くの疑念が残る難民バス爆破テロの真相

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驚きました。
非常に驚くテロ事件がありました。

CNN
 

シリア北部のアレッポ近郊で、イランとカタールの協力で実現した、反体制派と政府軍の双方に囲まれ孤立していた町から住民を退避させる「保護作戦」の移動中に、バスの車列を狙った爆破テロが起こった。


これは非常にショックな出来事である。このニュースを見たときは非常に驚いた。


まずアサドを擁護するイランと、反体制派を支援するカタールの双方の合意で実現したこの「難民保護作戦」の意味合いは非常に意義があった。
老練なイランがこの合意をしたことにまずは驚いたのだが、米国・ロシアのコンタクトがあったにせよ、イランがこのような人道的な行動に出ることに非常に好感を持ったのだが...。

イドリブやケフラヤからのバスが続々反体制派が警護する地域に移動する最中だったようだ。
死者は現時点で126人。その中の少なくとも68人が子供だったという。

犯行声明は出ていないが、難民の移動を批判していたISかイスラム戦線(旧ヌスラ戦線)の可能性は高い。ひとつ引っかかるのはイランが介入していたことである。

ロシアと共に手を組み、アサド擁護でシリアへの影響力を高めようとするイランが反体制派を支援するカタールと合意したはずの今回の措置。イランが何らかの意志と意図を持って繰り出した政策は、いとも簡単にテロに葬り去られた。

イランはこのテロを防げなかったのか?
あるいは防ごうとしたのか?
警護は反体制派に任してよかったのか?
本気で難民を保護するならば、イラン正規軍を送るべきだったのでは?

様々な疑問が浮かぶ。ここまでの大規模テロをどの当局も見抜けなかったのか?
これは大いなる疑問である。シリアという土地柄、テロを容易に防ぐことはできないのも承知だ。かつてのアフガンやイラクのように。

しかし100人以上の死者を出すテロを警戒しながらも許してしまった原因はどこにあるのか?
シリア情勢をこれ以上悪化させても意味はないように思える。ISやイスラム戦線の犯行ならある程度飲み込むことはできるが、これが米国やイスラエル、サウジが絡んでいるなら、何か裏で大きな取引が行われているはずである。

深読みしすぎだろうか。


Mitsuteru.O

【定期報告書】シリアを巡る米露関係の裏合意

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報告論点
・実質的に米国はロシアとの妥協点で合意した可能性
・化学兵器さえ使わなければ米国はこれ以上の攻撃はしないと約束?
・化学兵器を巡る新たな疑惑浮上
・科学兵器禁止機関がシリアでの調査開始

ティラーソン


1、米露外相会談での裏取引                      

米ティラーソン国務長官は4月12日、モスクワでプーチン大統領とラブロフ外相と会談。報道レベルや両者の記者会見では「絶望的な米露関係」と認識されていて日本の報道にでも「米露関係が悪化」という認識で一致している。しかしアラブメディアでは違った見方をしていて、ロシアがイラン・シリアとの3者外相会談で「米国との間でシリアへの攻撃は今後ないことを合意した」と報告しており、これはつまり米国はロシアに対して「シリアが化学兵器を今後一切使わなければ、米国は一切攻撃しない」と伝えたと推測できる。
(情報元ソース・http://www.alquds.co.uk/?p=703896

メディアに対しての対応は米露の間でも合意されていた可能性が高い。あえて「米露関係の悪化」を示すことでシリア問題を一時棚上げにして時間を稼ぐことができる。その意味は米国の現在の最優先課題は北朝鮮であることの証明である。北朝鮮の核実験実施が近いうちに予測され、それに伴う米軍の軍事オペレーションの分析・検証にCIA、国防省、国務省は時間を費やしている。シリアとの2正面作戦をする余裕などなく、あえなくトランプ政権はロシアとの「一時休戦」を選んだのではないだろうか。


2、化学兵器使用の謎

化学兵器は誰が使用したのか。永遠の課題であるこの問題は現世界において最大の謎である。米国および日本も含むその同盟国、西側諸国、マスコミ、各種メディア、そして世論も化学兵器を使用したのはシリア政府だと断定している。否定するのはシリア政府とロシア、イランであり、特別変わった仮説は存在しない。西側諸国対ロシア・イラン連合の構図は国際社会の公然の事実である。

アサドは(本来なら大統領と付けるべきだが、アサドは完全な戦争犯罪者なので私は大統領と認めたくはない)化学兵器使用を否定している。



米国の陰謀論も世論の間で飛び交っているが、米国はイラク戦争の二の舞は繰り返してはならないことを重々理解している。十分な調査を行ったうえでシリア政府軍使用を断定したのだろう。

しかしシリア政府軍参謀本部の最新の会見で、「有志連合軍がISの化学兵器が貯蔵されている倉庫を空爆した」と発表した。以下はシリア軍司令部のコメントである。
「攻撃は17時30-17時50分ごろ、外国人傭兵が大勢いたISの倉庫に対して行われた。攻撃された場所では白い雲ができ、その後、黄色の雲が形成され、これは大量の有害物質の存在を物語っている」

つまりロシア・シリア側はISが化学兵器を所有していたのはISであり、シリアではないと証明したと主張。しかしシリア政府軍が化学兵器を所持していなかった証拠はなく精査が必要だが、逆に言えばISも化学兵器を所持していることはわかっていたことである。「化学兵器根絶」を盾にすれば、この有志連合の空爆も正当化されるのではないだろうか。興味深いのは米軍はイドリブでの空爆は行っていないと言っている点である。しかし余計な反論は控えたほうがよかったのではないだろうか。


3、化学兵器禁止機関査察と今後のシリア

hannshain
 

そこで化学兵器禁止機関が早速動き出した。調査官がシリア・ハンシャイフンで調査を開始し、化学兵器が散布された現場からサンプルを入手。すでに分析を開始し、結果が出るまでは2~3週間かかる見通し。調査官は現段階で「初期段階では信用できる疑惑である」としている。

ロシア側も客観的な調査は歓迎しているため、難なく調査にこぎつけたようだが興味深いのは現地の治安状況が最悪なこの時期にどのようにして調査を行うかである。現地の安全は保障されない危険な任務である。しかしこの迅速さで調査が行われているのは不思議で仕方ない。現地の安全が確保されているからこその行動であることは間違いない。つまり反政府側に何らかの協力が求められ、それを反政府側は容認しているのではないか。

さらにシリア政府側から空爆は実施しない方針が伝えられているのでは?それがクリアできるのであれば政治的に和平へ導く余地はまだあるのではないだろうか。米露の対話も大事だがシリアにとって永遠の課題はアサド家の問題だ。今でもアサドに仕える側近が軍から政治まで権力を握っている。その証拠にアサドに代わる新大統領の候補に名前さえ挙がらない。内戦で疲弊したシリア国民が無視されている状況は一向に変わらない。米露の思惑と国際社会の期待は相反しているが、最終的に行き着くことは「アサドの首をどうするか」というシリア内戦の初期段階に戻るのではないかと考えられる。


国際保守通信・Mitsuteru.O



 

【国際】IS掃討へ、イラク軍が地上作戦を開始

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(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されたイラク北部モスルの奪還作戦で、同国のアバディ首相は19日、市西部での地上作戦が始まったことを明らかにした。

アバディ首相は国営テレビでの演説を通し、この作戦をモスル解放に向けた「新しい夜明け」と呼んで部隊を激励した。

作戦に参加するイラク連邦警察は初日の成果として、ISIS戦闘員79人を殺害、複数の武器関連施設を破壊し、10カ所の村を奪還したと発表した。
さらに車爆弾13台と爆発装置30個、爆弾を仕掛けたベルト5本を解体したほか、トンネル3カ所を破壊し、多数の砲弾を押収した。
イラク軍側は数週間前に市東部を奪還していた。西部でも空爆を仕掛けてきたが、本格的な地上作戦は初めて。

http://www.cnn.co.jp/world/35096822.html

モスル

IS壊滅に向けた地上作戦が本格化しています。ISもモスルからはほとんど撤退しているようですが、大型の建物に爆弾や地雷を仕掛けており、完全な解放まではまだ時間がかかるようです。

これにより車両での通行が困難になり徒歩での移動になるので、銃撃戦などが予想されています。ISはドローンも所有していて、ドローンから爆弾を投下する攻撃を行ったり、自爆テロも行うので、イラク軍は苦戦するとの見方が強まっています。

悲しいのは日本のメディアです。国際社会を脅かすテロ組織を壊滅できるかどうかを占う、重要な一戦なのに、日本メディアの報道は皆無です。

「ISは米国が作り上げたものだ」という指摘もあります。確かにその側面はありますが、もしそうであったとしても、ISが日本にとっても脅威であり、テロの危険があることを理解していれば、無関心でいれるものではありません。


日本は今日も北朝鮮のニュースばかり。本当に情けないの一言です。


Mitsuteru.O

 

 

【国際】バグダッドで爆弾テロ、51人死亡  日本人はどう思うか

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(CNN) イラクの首都バグダッド南西部で16日、自動車爆弾の爆発により、治安当局によれば51人が死亡した。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がメディア部門のアマク通信を通し、犯行声明を出した。
地元の治安当局者によれば、事件が起きたのはイスラム教シーア派住民の多いバヤー地区にある自動車市場で、多くの人でにぎわっていたという。
事件を受けて米国務省のトナー報道官代理は「イラクのバグダッドの自動車販売店を狙ったISISによるテロ攻撃を、われわれは最大限、強い言葉で非難する」と述べた。

http://www.cnn.co.jp/world/35096773.html

バグダッド

恐れていた事態が起きました。ISによる犯行が濃厚です。私は何度もこのブログやツイッターで、ISによる大規模なテロ攻撃が起こると指摘してきました。

イラク北部とシリアの戦局を俯瞰しても、ISの劣勢は明らかで、テロ組織の常套手段である「劣勢のときの悪あがき」が現実のものになりました。

私がこのニュースで一番言いたいことは、我々日本人の考え方です。イラクという想像もつかない中東の土地で行われたテロを、「危ないところだから当たり前だろう」と思っていないでしょうか。

これが国際社会の現状です。人々は多くのことで悩みを抱えていますが、世界中でテロの脅威が存在する現実を考えたとき、私達はどう思うべきなのでしょう。

日本は大丈夫なのか、この平凡な毎日は果たして当たり前なのか。そう考えることで日本人の平和ボケは改善していくのではないでしょうか。 日本の平和は世界の当たり前ではありません。今もISは健在しているわけで、日本でいつテロが起こるかわかりません。このバグダッドのテロをどう感じるか。それは日本人の平和ボケのものさしになりそうです。


Mitsuteru.O




 

【国際】米軍、シリアへの地上部隊派遣の可能性が浮上

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ワシントン(CNN) シリア北部で過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の撲滅を目指す戦闘を加速させるため、米国防総省が地上部隊の派遣を提案する可能性があることが、CNNの取材で16日までに分かった。
ある米国防当局者はCNNに対し、「いずれ通常部隊がシリアに派遣されることになるかもしれない」と語った。

米当局者は地上部隊の派遣について、現時点ではまだ協議している段階だと述べ、正式な提案とは位置付けていない。
地上部隊を派遣する目的の1つには、クルド人勢力がトルコの利益を脅かす存在ではないことをトルコに納得させる狙いがあるようだ。一部の部隊をまずクウェートに展開させ、そこからシリアに移動させる可能性もある。

http://www.cnn.co.jp/world/35096682.html?tag=cbox;world

米軍

CNNのみが報道していて、恐らく国防総省の職員がCNNに情報を流したと思われますが、信憑性は定かではありません。しかし、トランプ大統領は中東への軍事プレゼンスの強化を示唆していましたし、積極的に介入する姿勢であることは明白なので、ありえない話ではないと考えられます。

マティス国防長官にシリア戦線の報告と今後の作戦について報告せよ、と指示を出しているようで、その検討内容が地上部隊の派遣に繋がるのかは不透明ですが、シリア北部の戦局はISの劣勢が伝えられていますし、「最後の仕上げは米軍が行う」といったような良いとこ取りの印象が拭えません。

米軍の派遣が決まれば、当然ながらロシア、イランと反発が予想されますし、トルコはクルド人部隊の扱いに関して米国に抗議するでしょう。先日CIA長官がエルドアン大統領と面会していて、クルド人部隊をどう対処するのか協議がなされていれば、この情報も信憑性を増すことになります。

マティス長官のNATO国防相理事会の出席の意味も、このニュースを踏まえれば何かひっかかる部分ではあります。オバマ氏によって中東の混乱に拍車が掛かりましたから、米国はパワーバランスの調整を試みているのかも知れません。


Mitsuteru.O

 

 

【中東】ロウハニ大統領がクウェート訪問、湾岸諸国が仲介に?

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米トランプ政権発足後、イランの動きが活発になってきています。中東の先行きを読むことは国際情勢研究の基礎的な部分なので、このブログでも積極的に取り上げていきます。

中東メディアのアル・アラビアネットで、イラン指導者のロウハニ氏がオマーンから始まる外交をスタートし、クウェートに訪問することが報じられています。クウェートは湾岸諸国からイランに対する仲介役を任されているので、 このニュースは注目に値します。

ロウハニ

イランは対米強硬策を取るのではないか、という観測で持ちきりです。私も警鐘を鳴らしていますが、このクウェート訪問で、「イランを抑制させよう」という何らかのアクションが取られた場合、イランはどのような行動に出るのか、非常に興味があります。

核合意の遵守、革命防衛隊の影響力拡大、シリア、イエメンへの過度な軍事介入が、サウジなど湾岸諸国の懸念になっているわけですが、例えばイランがこれらの項目に妥協して、対米強硬路線を撤回するような都合の良い対案が存在するのかどうか。

クウェート訪問自体は間違いなく、「湾岸諸国の意見を聞こう」というアクションでしょう。訪問して、国際社会に対して融和路線を演出しようとしているのかも知れませんが、今の段階ではイランを信用することはできません。

もちろん、クウェート・サウジに潜伏しているCIAを中心とした諜報機関は情報収集を余念無く行っているでしょう。何らかの情報をすでに入手している段階に入ってきていると予測します。

このクウェート訪問後のイランの行動がその答えになると思います。中東は相変わらず緊張状態にあります。注視していきましょう。


Mitsuteru.O

 

 

イランの復讐 火遊びでは終わらない最悪の結末とは

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ミサイル


目覚める怪物

トランプ政権誕生後、イランの息遣いが聞こえてくるように感じるのは私だけだろうか。オバマ前大統領のイラン封じ込め作戦は、見た目には成功していると思われたが、対イラン強硬姿勢のトランプ氏が大統領就任後、一連のイランに対する政策が、眠っていた怪物を目覚めさせたように、イランが国際社会の表舞台に再び登場したような感覚に襲われている。

対米融和の大きな落とし穴

例の入国拒否政策の対象国のひとつに指定されたイラン。その報復かは定かではないが、絶妙のタイミングで弾道ミサイル発射実験を行った。失敗に終わったことを鑑みれば、明らかに急遽行われた実験だった。つまり、それは米国への反発・挑発を意味するものであり、トランプ氏へ警告メッセージを送ったということになる。

そのトランプ氏も早速、報道官経由で「警告」を発表し、イラン最高指導者のハメネイ氏も「米国の真の姿が暴かれた」と発言し、両国関係は冷え切っているどころか、開戦前夜のような雰囲気である。

考えて見れば、オバマ時代の対米融和への転換はオバマへの手土産だったのではないだろうか。そもそもイランが核兵器を手放す訳もなく、イスラエルと仲良くなるわけでもなかった。国際社会はそれをわかっていながら黙認したのは、ノーベル平和賞に花を添えるプレゼントだったのではないだろうか。

イランを巡る米国の痛い過去

トランプ氏がよく口にする「テロリストを排除する」という言葉。なぜこれにイランが該当するのか。イランはシーア派のテロ組織「ヒズボラ」を支援している。ヒズボラが起こしたテロで有名なのはテヘランの米国大使館爆破と、多数の人質を取ったことであるが、米国人はイランといえばこの記憶が甦るのではないだろうか。

中国人や韓国人が、日本が大東亜戦争で占領したことと同じように、年月がいくら過ぎようが国家間、あるいは民族間での憎しみの記憶は消し去ることができない。米国にとってイランが悪人であることは「悪の枢軸」と言わしめたブッシュ時代以前から続く、歴史の流れによって刷り込まれた記憶遺産なのである。

同時に米国とイランはスパイ合戦の舞台でもある。イランは攻撃的なイメージがあるが、周到にその準備を計画し、外交官、スパイ、革命防衛隊を駆使し、イランが偉大な国であるために様々な諜報活動を行っている。CIAはイランの政治家、聖職者、メディア関係者にカネを配り、イラン政府中枢にまで要員を送り込んだ。

冷戦時代、イランは米国にとって対ソ連の緩衝地帯として重要視していた。冷戦期はイランの油田を確保することよりも、ソ連・共産圏の勢力拡大に関心を注いだ。共産圏が中東に広がることで、中東の溢れんばかりの原油を失ってしまう恐れがあったからだ。結果的にアフガニスタンは共産圏と西側陣営の代理戦争の場となり、広大な自然が戦場の舞台となり、荒んでいった。イランは親米路線(親米という表現は正しくないかもしれない)を選択し、英国主導のバグダッド条約機構に加入。今では信じられないが、米国と相互防衛協定を結んだのだった。

しかし良い関係は長くは続かない。人間関係と同じである。大使館の占拠事件はイランだけに留まらず、パキスタンでも起こった。米国の中東への不信感は最高潮に達し、一方でイランもソ連やイラクとの関係悪化で四面楚歌となった。サダム・フセインの出現によりイスラム原理主義への軽蔑が国際社会を覆い、イラン・イラク戦争などで、中東は疲弊していった。

最悪の結末は言うまでも無く軍事衝突

多くのメディアは楽観的だ。トランプ氏とハメネイ氏の火花は直接見ることができないため、事の深刻さがわからないのだろう。日本メディアなど論外である。イランや中東情勢に関与しないのだから。

イランと米国の衝突を想像してみてほしい。偶発的でも必然的でも構わない。一体どこでどんなふうに起こりえるだろうか。答えは簡単で明白で、わかりやすい場所である。ホルムズ海峡だ。日本でも集団的自衛権の限定容認の議論の際に、よく見られたキーワードである。機雷除去がどうのこうのと、国会でレベルの低い議論をやっていたのを思い出す。

ペルシャ湾
 
ホルムズ海峡での両者の衝突は、当たり前すぎると思われがちだが、もっとも可能性が高い。イランが弾道ミサイルを米国向けにいきなり発射することはまずないだろう。イスラエルの要請で、専守防衛を掲げて米軍がイランを侵攻することもまずありえない。サウジに関しても同じことが言える。一番ありえるのは偶発的を装った計画的に仕組まれたホルムズ海峡での軍事衝突である。

トランプ氏がイラン人を入国拒否し、制裁を強化するならば、イランはホルムズ海峡を封鎖する。このシナリオは現実味を帯びている。トランプ氏がこのまま強硬路線を突っ走り、「アメリカ・ファースト」の名の下に、他国を犠牲にしてでも米国の利益を獲得する姿勢でいれば、間違いなくイランや他の中東諸国は立ち上がるだろう。中東諸国は米国のそうした自己満足で自己中心的な部分が一番嫌いなのである

海峡を封鎖すれば間違いなくトランプ氏は米海軍をホルムズ海峡に向かわすことになるだろう。そうしたとき、イラン・イスラム共和国軍が待ち受けている。この構図が目に浮かぶ。ロシアはそのときシリアの進捗状況によるが、静観するか、イランに味方するであろう。そうなったとき、ペルシャ湾を舞台にトマホークが飛び交う事態に発展するかも知れない。トランプ氏はそれが「火遊び」だと思っているのだろうか。

(大阪発・Mitsuteru.O)

mail:japan.in.the.world1127@gmail.com 

イランが軍事演習実施 米・イランの対立はより深刻に

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トランプ政権発足後、急速に米国とイランの関係が悪化しています。ご存知の通り7カ国の入国禁止令で反発したイランは弾道ミサイル実験を行い、今回は軍事演習も実施しました。

iran

Parstodayによれば、革命防衛隊のセパーフニュースからの情報で、5日間の予備演習の後、4日土曜、革命防衛隊航空宇部隊による演習の本番が開始したとのこと。この演習の中では、国内で製造された各種のレーダー・ミサイルシステム、電子戦争管理・指令部などが任務を果たしている。

敵国に向けたものだとして、ハッキリと対米強硬を貫いています。このような姿勢を見せられたトランプ氏も黙っているわけがなく、今後も緊張状態が続いていくと考えられます。

危惧するのは相変わらず、日本メディアの反応が鈍いこと。思いのほか、米・イラン関係は悪化しています。軍事衝突もありえるのではないかと思います。以前にも書きましたが、ホルムズ海峡での偶発的な衝突のリスクは非常に高まっていると思います。そうなれば日本のエネルギー調達に響きますから、他人事ではないのです。

(大阪発・Mitsuteru.O)
note「SPECIAL WEEK」https://note.mu/japanintheworld 

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