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【国際】IS掃討へ、イラク軍が地上作戦を開始

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(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されたイラク北部モスルの奪還作戦で、同国のアバディ首相は19日、市西部での地上作戦が始まったことを明らかにした。

アバディ首相は国営テレビでの演説を通し、この作戦をモスル解放に向けた「新しい夜明け」と呼んで部隊を激励した。

作戦に参加するイラク連邦警察は初日の成果として、ISIS戦闘員79人を殺害、複数の武器関連施設を破壊し、10カ所の村を奪還したと発表した。
さらに車爆弾13台と爆発装置30個、爆弾を仕掛けたベルト5本を解体したほか、トンネル3カ所を破壊し、多数の砲弾を押収した。
イラク軍側は数週間前に市東部を奪還していた。西部でも空爆を仕掛けてきたが、本格的な地上作戦は初めて。

http://www.cnn.co.jp/world/35096822.html

モスル

IS壊滅に向けた地上作戦が本格化しています。ISもモスルからはほとんど撤退しているようですが、大型の建物に爆弾や地雷を仕掛けており、完全な解放まではまだ時間がかかるようです。

これにより車両での通行が困難になり徒歩での移動になるので、銃撃戦などが予想されています。ISはドローンも所有していて、ドローンから爆弾を投下する攻撃を行ったり、自爆テロも行うので、イラク軍は苦戦するとの見方が強まっています。

悲しいのは日本のメディアです。国際社会を脅かすテロ組織を壊滅できるかどうかを占う、重要な一戦なのに、日本メディアの報道は皆無です。

「ISは米国が作り上げたものだ」という指摘もあります。確かにその側面はありますが、もしそうであったとしても、ISが日本にとっても脅威であり、テロの危険があることを理解していれば、無関心でいれるものではありません。


日本は今日も北朝鮮のニュースばかり。本当に情けないの一言です。


Mitsuteru.O

 

 

バグダディの肉声公開  やはり生きていたIS司令官

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バグダディ

やはりISの指導者、バグダディは生きていた。これは予想通りで、筆者の見立てでは恐らくシリア国内に潜伏すると見られる。どこで音声が録音され、どこで発信されたのかは不明だが、指導者の音声が公開されるということは、ISが窮地に立たされていることの証明であり、世界各国でテロ警戒が必要だ。これが、何らかのサインであるとしたら、様々な国に潜伏しているIS戦闘員やローンウルフテロ犯が行動に出る恐れがある。日本でも同じように警戒したい。

参考記事「世界中が追っている男 IS指導者バグダティはどこにいるのか!?」

さてバグダディの肉声についてだが、第一報をAFPが報じている。それによるとバグダディ本人の肉声が公開されるのは1年ぶりであり、その内容はIS戦闘員に徹底抗戦を呼びかける内容だという。現在イラク・モスルでイラク軍などによるモスル奪還作戦が行われているが、ISはひどく劣勢に立たされておりモスル解放は目前だと言われている。こうしたなかで指導者自らの肉声を発表することで、IS戦闘員の士気を上げ、徹底して戦うよう指示したと見られる。しかしこれが先ほど申し上げた通り、世界中に潜む戦闘員への攻撃のサインだとすれば、本当に恐ろしいことである。パリやブリュッセルで起きたように、欧米各国の中心部で大規模なテロが計画されている可能性は極めて高い。しかも、バグダディは約1年に渡って、その行方をくらませており、その間に大規模テロの計画を入念に練っていたとしても不思議ではない。

日本国内でひとつ気になる出来事があった。以前からISとのつながりを指摘されてきた、イスラム法学者の中田考氏が経営するリサイクル店で違法行為があった疑いがあるとして、警視庁により自宅などを家宅捜索したとのニュースである。疑惑は盗まれた物の売買を避けるため、帳簿をつける必要があるのだがその記録を残していなかった疑いが持たれているという。

これは疑い深い家宅捜索である。中田氏は2014年に北海道大学の男子学生がISに戦闘員として加わろうと計画していた事件に関連し、警視庁の家宅捜索を受けていて、その捜査が続いているところである。この家宅捜索は何か別の目的で行われた可能性が高い。つまり、ISとのネットワークを持つ中田氏の元に、日本でのテロ計画に関する資料が集まっている可能性があるということだ。モスルで壊滅状態に近い打撃を受けているISを奮闘させるために、指導者バグダディの音声を公開し、世界中の戦闘員に攻撃せよ、と命じる。そのタイミングでISと関わりを持つ中田氏が逮捕される。全てがつながってしまうのだ。

イランメディアなどではモスルはまもなく陥落する、と伝えられているし、イラク国内のISはほぼ壊滅するようだ。何度も言うが大規模なテロが仕掛けられるとすれば今だ。劣勢に立たされたときに必ずISは攻撃を仕掛ける。大都市の交通インフラやショッピングモールなどでは最大級の警戒が必要になると、ここで警鐘を鳴らしたい。


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IS掃討には今が正念場 日本メディアの意識の低さに驚愕

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イラク・モスルで行われているISからの奪還・解放作戦の戦況について世界中が熱い視線を送っている。
世界を震撼させている恐怖の過激派組織の一掃につながるかどうか、大事な戦いであることが明白であるからだ。

ISモスル


しかし日本のメディアの関心の低さには驚く。日本にテロの脅威が無いためか、それとも国際社会が感じている危機感の共有ができないだけなのか、理由はさておき非常に悲しい現実である。

関心を示さない日本メディアの代わりにこのブログでIS戦の詳細を伝えていく。

確実に進むモスル奪還作戦

イラク軍統合作戦司令部によると、モスル近郊では同日までに78の町や村が解放された模様。 イラク軍側はIS戦闘員772人を殺害し、23人を拘束。車に仕掛けられた爆弾127個を解体した。2つの爆弾工場を発見し、400発近い爆弾を処理しという。

その結果、 ISの戦闘員と家族が数十人単位でモスルを脱出し、イラク北部シンジャルの南方に位置するIS支配地区、バージを通ってシリア側へ越境しているようだ。ISは確実に退却をしており少なくともイラク側の発表だけを見ると順調に作戦は進んでいると言える。

残虐性で対抗するIS


キルクーク


一方のISはシリアへの退却を進めながらも、モスルで抵抗を続ける姿勢を見せながら残虐な行為も行っている。
国連人権高等弁務官事務所によると、ISはモスルの南およそ45キロのサフィナ村で住民15人を殺害。ほかの住民に恐怖心を植えつけるため、遺体を川に投げ込んだようだ。また、モスル郊外の建物で拘束していた元警察官50人を殺害したという情報があるという。

また、ISはイラク軍への陽動作戦として、イラク北部のキルクークで奇襲攻撃を実行した。
キルクークのカリーム知事は「攻撃は終結し、市内は現在、通常の状態に回復している」と述べて撃退したことを言明。3日間の戦闘でIS側は少なくとも74人が死亡し、一方で政府側では治安部隊を中心に46人が死亡した。今回の襲撃の首謀者を含む複数のIS戦闘員を捕虜として拘束した。

またイラクの戦況ではないが、パキスタン南西部クエッタで警察学校の宿舎が襲撃され、死者61人、負傷者117人が確認された。ISが犯行声明を出している。

活発化する周囲国の軍事行動

軍


モスル奪還作戦の成功により各国もIS掃討に向けて活発化している。
トルコ軍はISとクルド人武装組織を同時にたたく「ユーフラテスの盾」作戦を開始。それ以降にトルコ軍による空爆や砲撃で子ども22人を含む市民96人が死亡した。

さらにロシアのリャブコフ外務次官「人道的停戦を改めて実施するかどうかという問いは、今の時点では現実的ではない」という見方を示し、米国が主導する有志連合の怠慢と外交的解決の見通しの乏しさを理由に、早期に再停戦に踏み切る可能性を否定した。

ロシアに関しては「疑わしきは攻撃対象」としてシリア内戦に臨んでいるため、反体制派(自由シリア軍)やイスラム戦線にも攻撃を加えている。ISの掃討には絶対にロシアの協力が必要である。

米国はISが首都と称するラッカへの攻撃を強化すると宣言しており、これでIS掃討はかなり進むかも知れない。しかし気をつけなければならないのは、ISによるテロ攻撃。弱体化したときにテロを繰り返すので、警戒したい。


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【IS戦争】イラクで決戦 モスル奪還作戦が始まる

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イラクのアバディ首相は17日未明にテレビ放送された声明で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されている北部の都市モスルの奪還作戦が始まったことを明らかにした。
戦闘は数週間続く見通し。同国中部ファルージャや西部ラマディをISISから奪還した作戦と同様、激戦となることが予想される。
(CNN)

イラク・モスル
 

イラクでISに制圧されていたモスルの奪還作戦が始まった。数週間前からいつ始まるのか、と噂されていたがついに本日その作戦が始まった模様。イラク軍を中心に、介入を続けている有志連合軍、シーア派民兵、クルド人部隊の合同作戦のようで、モスルの東西から包囲作戦を実行する模様。

シーア派民兵がモスルの東西どちらかから攻撃を仕掛けて、戦闘機からの空爆も立て続けに行い、モスルから脱出を試みるIS戦闘員を迎え撃つ作戦だ。ISはすでに攻撃を察知しており油田を爆破するなど抗戦の構えを見せているが、今回の作戦は非常に大規模であり、イラクのアバディ首相がテレビ演説を行うほど大々的な発表も行い、その本気度が伝わっている。「イラクの未来を左右する戦いである」との趣旨で国民に結束を呼びかけている。

モスルの住民も避難しており、ISも負傷した戦闘員をシリアに帰還する動きを見せており、いよいよ大規模な交戦が始まる見込み。ISはモスルを失えばイラクにおける支配地域のほとんどを失うことになり、大打撃となる。シリアでの戦線にも大きな影響を及ぼすことになり、組織の弱体化につながるのは必至であり、日本では注目されていないが世界中でモスル奪還作戦が注目されている。


今、世界で起こっていること。みんなで考える。
「NOW! TIMES」

軽視してはいけないISのテロネットワーク

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  イスラム過激派組織ISの実態が窺い知れるニュースが飛び込んできたので紹介する。


  先日8つの言語で書かれたISの新たな機関誌がインターネット上で公開された。対象となった言語は、
英語、フランス語、ドイツ語、トルコ語、インドネシア語、ウイグル語、パシュトー語と、少なくとも8つの言語で書かれている。
機関紙の最新情報には、シドニーのオペラハウスやスタジアムなど、人々が集まるところでテロを実行するよう呼びかけている。

  ISがメディア戦略に長けていることは周知の事実だが、ここまで他言語に対応した機関紙を公開することは相当な労力と開発能力が必要になる。通信社や新聞社でもここまでの他言語で公開はしていない。

  他言語の機関紙発表には様々な事実が証明されたことになる。まずフランス語やドイツ語に対応した言語は、ISの戦闘員の中に欧州から加入した外国人戦闘員が今でも多いことが考えられ、未だに加入する余地があること。

  さらにウイグル語での公開は、先日キルギスで起こった中国大使館爆破テロのISの関与が証明されるものではないだろうか。捜査でウイグル族の一部過激派とISが繋がっていることはすでに明らかにされているが、ウイグル語での公開はウイグル族を刺激する意味合いも込めているのだろう。

  IS関連の別のニュースでは、CNNが大スクープを発表している。パリ同時多発テロ事件を捜査している欧州当局はこれまでに、IS内部の仕組みや計画について新たに詳細な情報を得ていることが分かり米CNNが捜査筋から大量の資料などを独占入手したとのこと。

・CNNは捜査資料約9万ページ分を入手
拘束されたISのメンバー2人の供述や携帯電話のデータなどから当時さらに大規模なテロが計画されていたことが判明
欧州には今もISのメンバーが潜伏
・フランス国内の商店街やパリのスーパーマーケット、オランダでのテロも計画
・暗号通信が可能なメッセンジャーアプリで連絡交換
・容疑者はいずれも難民として欧州各国に潜伏
・同じように難民に紛れて欧州域内へ侵入しているISのメンバーはほかにもいるとみられる

国際社会を脅かすテロ組織に関する捜査資料を大量に入手したCNNはお見事である。しかしながらパリの他にもさらなる大規模テロを計画していた事実は恐るべきものだ。難民を装って入国した事実も明らかになり、今後の難民問題に影響が出ることが予想される。

(この記事は重要なニュースを紹介するダイジェストです。本記事ではありません)


古川 光輝 
https://twitter.com/mitsuteru1127 
政治フリーペーパー「JAPAN IN THE WORLD」 
http://site-935764-9191-6615.strikingly.com/    

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ISはイスラム国家(カリフ制による強硬な国家運営)の成立を一方的に目指し、武力によってそれを達成しようとする暴挙を繰り返している。
当然、国際社会はそれを認めることなどありえず、ISは全世界の敵である。
当初、スンニ派の大国サウジアラビアはISの支援をしていたが、繰り返されるテロや残虐な行為に、当然ながら支持を続けることはできなかった。

国際社会はもちろん、メディアも我々日本人もISが悪であることは知っている。
しかし絶対にISを壊滅させなければならない、という主張をする記事をあまり読んだことは無い。

ISは一方的に国家承認を宣言して、資金調達、税金、インフラ、法整備など、国際社会の警告を無視して、勝手な組織運営(国家とは言いたくないので組織とした)をおこなっている。 

一般的に国際社会に新しい国家が成立した場合、他の国家がその国家を、国際法を主体として認めることが必要である。国家承認の法的な性質には、創設的効果説と宣言的効果説の2つがある。

主流な手法としては後者の、宣言的効果説であり、具体的には、新国家が国家としての要件を具備し事実上成立すれば、国家としての法人格が備わっており、他の国からすれば、それを追認するにすぎないというものだ。
これは国家の分裂や分離独立の際に多く用いられる手法だが、国家承認にかかせない重要なポイントは4つある。それらにISが該当するかを考えて見たい。

まずは確立された一定の領土が定まっていること。ISに関しては戦闘によって手に入れた領地を一方的に支配し(恐怖政治によって)先住民の宗教を強制的に改宗することでISに忠誠を誓わせる。その手法で実効支配しているにすぎない。しかも内戦ではなく、一方的なテロ攻撃を用いてである。

2つ目は、住民の存在。ISに支配された地域の住民が自らがその地に望んでいるかどうか。現状を考えれば言わずともわかることである。

3つ目は実効的政府の存在。ISは自らをイスラミック・ステートと名乗るが、その地は国際法上、シリア領内であり、イラク領内である。(もちろんリビアもイエメンも)ISの戦士以外にISを望む者など皆無であり、すなわち住民と国際社会からすればISのような恐怖政治、あるいはテロリストの実効的政府など認められるわけがないのである。

最後に挙げられるのが、外交能力である。もはや説明するまでも無いが、テロリストに外交交渉などありえない選択肢であると同時に、ISに外交能力などありもしない。人質を取り、身代金を奪うことが外交なら当然国家として認められない。

国際法の観点で見なくとも、ISが国家として認められる余地は100%ない。
ただ彼らは本気でその目的を果たそうとしていること、さらにその達成のためにテロ攻撃を辞さないことが、最大の懸念である。

その証拠としてAFP通信が報じるところによると、和平交渉締結間近のイエメンのハドラマウト州の州都ムカラにある警察施設で15日、自爆攻撃を含む2度の爆発があり、警官ら計47人が死亡。1度目の自爆攻撃はISが犯行声明を出したとのこと。
医療関係者によると、同市南西部にある警察の採用施設で起きた最初の自爆攻撃で、少なくとも新人警官41人が死亡、50人以上が負傷した。自爆犯は、同施設で列を作っていた人々の中に入り爆弾ベルトを爆発させたと、地元当局者が語った。
http://www.afpbb.com/articles/-/3087163?act=all

 
ここで断っておくが、「ISを生み出したのはアメリカだ」「欧米の陰謀」「ロシアの悪巧み」といった陰謀論はこのブログでは展開しない。それらは事実であるにしても、有効な紛争解決の提示にはつながらないからだ。
これから当ブログはあくまで国際法や国際政治学の観点で論じていこうと思う。

知の共有、皆さんの教養の一部として貢献できれば嬉しく思う。
知を深くしることで、気持ちが豊かになるのは間違いのだから。
本日も皆さん、お疲れ様でした。


Mitsuteru.O

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ベルギーの逆襲 ISへの空爆強化へ

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ベルギーがIS掃討作戦の強化のために、これまでイラクのみで空爆を行なってきたが、今回シリアでの空爆にも参加することを決定した。

ベルギー

時事通信・ブリュッセル支局によると、ベルギー政府は13日、イラク領内で参加している、米国主導の有志連合による過激派組織ISへの空爆について、対象をシリアにも広げる方針を決めた。
 
AFP通信によると、ミシェル首相のスポークスマンは、シリアでの空爆は「国連安保理決議に沿ってISやその他のテロ組織が支配する地域に限定する」と述べた上で、7月1日から開始すると明らかにした。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016051301147&g=isk


現在有志連合軍は、 アメリカ、フランス、カナダ、イギリス、オーストラリア、オランダ、ベルギー、ドイツ、デンマーク、ヨルダン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーンで構成されている。
この指揮を執っているのはアメリカで空爆実施回数もアメリカが単独して行なう回数が圧倒的に多い。
CNNの資料を参考にしてみよう。

CCN資料1

このようにアメリカ主導による作戦であることは明らかである。
ベルギーはブリュセルテロへの報復として、シリアへの空爆を始めるようだが、有志連合の作戦の大幅な変更はないだろう。もちろんベルギーがシリアのISに空爆することで、少しばかりの効果は期待できるが、今後もアメリカが主導権を握り、IS壊滅を目指していくと思われる。

ISに空爆を行なっているのは有志連合だけでなく、ロシア、さらにアラブ連合による空爆も実施されている。
アラブ連合による空爆は小規模なものだと伝えられているが、もはやISは全世界の敵であることを証明している。ここもCNNの資料を示したい。

CNN2

やはり戦闘機の数だけで見てもアメリカが突出している。
次にフランスとなっているが、やはりロシアの存在が際立つ。
ロシアは有志連合軍には参加せず、ISの空爆を行なっているが、軍事オペレーションの視点で考えたとき、ロシアはアサド氏の要請のもと、シリア国内の基地を利用している。ということはISの拠点にも近く、本来なら対IS戦で一番の成果を出さなければならないはずである。ロシアがISに対しての最前線に立っているということだ。

しかし、ロシアはアサド政府軍と協力して、反体制派にも空爆をしている。このような余計な軍事オペが、IS壊滅への道のりが遠ざかっているのである。

しかしIS壊滅作戦は確実に効果が出ている。
ISはラッカで非常事態宣言を出し、守りを固めているようだ。しかしこの非常事態宣言なるものが、何かのサインなのか。外国に眠るホームグロウン、ローンウルフ型のテロリストが動く恐れもある。注意したい。これまでも状況が苦しくなったときに大規模なテロを繰り返してきたからだ。

日本も、シリア支援に介入することが決まっている。
軍事作戦に関わる必要はないが、シリア内戦終結、ISの掃討作戦が終了すれば、ただちにシリアの復興に全力で取り組んでもらいたい。それが国際貢献というものである。


Mitsuteru.O

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日本メディアが報じない中東情勢Vol.6 (反体制派とヌスラ戦線が合流?、シルトでIS作戦決行)

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~この記事の要点~

・イドリブでまたもや空爆
・シリア反体制派とヌスラ戦線が合流?
・いよいよリビア・シルトで大詰めの作戦決行
・シリアで移行政権の枠組み合意?


おはようございます。
目新しい動きは無いのですが、先日お伝えしたシリア・アレッポでの48時間の停戦は今のところ守られているようです。
停戦期限はもう終わりますから、また戦闘が始まる恐れがあります。これ以上の破壊は両者に取って悪影響だと思うのですが、どうなるでしょうか。


シリア北部、イドリブで空爆

▼空爆があったシリア・イドリブ(グーグルマップ)

▼イドリブの市街地(グーグルマップ)
イドリブ


アレッポの停戦で、少しは落ち着きを取り戻せば、と願っていたのですが、アレッポの南西部に位置するイドリブで空爆が行なわれました。
シリア政府軍の空爆だと思います。先日はイドリブの野菜市場が被害に遭いましたから、連続での空爆です。これはヒドイ。
これにより、一般市民少なくとも28人が死亡したと、「シリア人権監視団」が発表しています。
空爆を受けたのはヌスラ戦線が掌握しているイドリブ県サルマダに近い場所にある国内避難民キャンプで、女性や子どもを含む市民28人が死亡し、50人が負傷したとのことです。



これに関連して興味深いニュースを発見しました。


反体制派とヌスラ戦線が合流?


▼シリア・ダマスカスで旗を広げるヌスラ戦線の兵士(CNN)
ヌスラ戦線

ロシア・スプートニクが伝えています。要点は

・米国防省はアレッポで反政府勢力がヌスラ戦線と合流したことを認めた
・アメリカが過激派組織の拠点を正確に把握していないことは明らか
・穏健派の反体制派にも一定の影響を及ぼす



これを先ほどのイドリブの空爆に照らし合わせると、ロシアの頭の中が見えてきます。
ロシアの言い分としては、アメリカはヌスラ戦線やISの拠点を把握しきれていない。そのためヌスラ戦線を狙った攻撃を積極的に取れない。
それが原因で過激派の支配地域を広げてしまった。シリア軍とロシア軍はそれを看過できないから、ヌスラ戦線への空爆を積極的に実行する。
民間人に被害が出たとしても、それは致し方ない。実際に過激派に打撃を与えているのはロシアなのだから...。こう言いたいのでしょうか。
アメリカに任していては、テロ掃討は不可能だ。そうアピールした記事であることは否めません。


リビアのIS戦はいよいよ大詰め


リビアでは、IS掃討作戦が進んでいます。カダフィ政権崩壊後、混乱に付け込んだISもリビアでは壊滅しそうな勢いです。

▼今後のリビアを占ううえで最重要地点のシルト(グーグルマップ)


・リビアの各地の軍が協力してISの拠点シルトを攻撃することがすでに決まっている
・シルト解放合同作戦本部の報道官は、シルト解放作戦は今週末に始まると語った模様
・作戦はリビア東部からの軍と西部からの軍が協力して行い、作戦に参加する航空機のための空港が2か所近くに用意されている模様
・報道官は、作戦参加の軍は更に現地に到着しつつあり、数日以内に完全な体制が整うと語った


日本メディアでは絶対にお目にかかれません。いよいよシルト解放作戦が実行されるようです。
この作戦でリビア軍がシルトを奪還できたら、ISはリビア撤退を余儀なくされるでしょう。
しかし現地メディアではかなりの激戦が予想されていて、ISは総動員で待ち構えている様子。さらに地雷の埋設も完了しているようです。
恐ろしいですね。このようなことが現実に行なわれている。皆さん、想像できるでしょうか?今週末ですから、注目すべきです。犠牲者が多く出てしまうでしょう。


本当に?シリアで移行政権に関する合意?


この記事を見た瞬間、飲んでいたコーヒーをこぼしそうになったのですが...。
イランのParstodayに信じられない記事が。

・国連シリア特使が、シリア政府と反体制派の間で、新たな移行政権に関する合意が締結されたことを発表
・国連のデミストゥラ・シリア特使は文書を公開し、シリアの政府と反体制派の協議団は、この文書によればシリアの独立、統一、領土保全、内政不干渉を支持する中で、新たな移行政権の役割に関して合意を締結しているとのこと。
デミストゥラ特使
「この文書ではまた、戦略的な問題、テロ対策を行う合同の組織、国境地帯や地域の安全に対する支援の提供、集団的な安全を確保するための中立地帯の設定方法について、双方が立場を明確にする必要性が強調されている」


これだけの大ニュースならCNNやAFPも伝えているはずなのですが、このイランのニュースサイトでしか配信されていません。
(日本では当然ながら取り上げてない。それからイランからの発信というのがまた信用ならない...。)
移行政権の合意、とありますが、反体制派は移行プロセス自体にアサドが関与している時点で拒絶していたはずです。
そこがクリアされずに合意するはずがありません。アサド政権を維持したがるイランの思惑でしょうか。これはインテリジェンスも含んだ、非常に緻密な戦略の一環かも知れません。


こうして情報を整理して、まとめてみますと各国の思惑が透けて見えるようになります。
まだまだ私も予備知識が足りていないと自覚していますから、勉強と研究を重ねて、精進していきます。
そのなかで皆様に有益な情報を発信していきたいと思います。
本日も頑張りましょう。


Mitsuteru.O


引用参考元
・グーグルマップ
・AFP
・スプートニク
・アルアラビアネット
・パーツトゥデイ


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日本メディアが報じない中東情勢Vol.4 (アレッポでの被害状況、対IS戦果)

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~この記事の要点~

・アレッポでの被害状況
・ロシア次官の意味深な発言
・対IS戦の戦果


アレッポでの被害状況と、ロシア外務次官の驚き発言


こんばんは。連休中ですが、重要な情報が入ってきています。
シリア・アレッポでの被害状況が明らかになってきました。ご存知の通り、アレッポはシリア内戦の最激戦地でありながら、最重要地点でもあります。
このアレッポがどちらの手に渡るかで、内戦の行方は変わってきます。

▼アレッポで避難する子供たち(アルクドゥスアル・アラビ)
アレッポ避難

アレッポでの犠牲者は9日間で(どの期間かは不明)死者250名、負傷者も600名に上っています。
国連はいつも言うだけですが、今回も「重大な人命の軽視」だとの意見を表明しています。
そしてこの事態にアラブ連盟は、5月4日に緊急会合を開くことを決定しています。


驚いたのは、ロシアの外務次官のコメントが伝えられていて、「ロシアはアレッポへの空爆を停止することを求めない」と発言しました。
もはや政治ギャグの領域ですが、シリア政府軍に求めないどころか、アレッポへの空爆はロシアが実施しているとの情報が既定路線のなかで、この発言は苦笑するしかありません。
しかも病院を空爆したことを否定していたにも関わらず。とにかくアレッポでの激しい戦闘が止まない限りシリア内戦に終わりは見えてきません。
(どれだけの日本人が実際に激しい戦闘が起きている、アレッポの現状を知っているのか...。)



リビアでの対IS戦況


・リビア軍はほとんどの産油地帯を支配下に置いたと発表
・同時にシルトの解放のために軍を北方に展開中
・すでにシルトの東南200Kmに到着している



リビアに関して言えば、ISとの戦いにおいては非常にうまく進んでいると言えます。新政府承認が整えさえすれば、リビアの安定は近いのでは?と思います。
ただ、本当に中東情勢はわからないもので、一旦合意に持ち込んだ案件でも、情勢はすぐに変わってしまいます。


米・有志連合の対IS戦果と戦況


▼シリアでの支配地域も減少してきたIS(アルジャジーラ)
IS アルジャジーラ

・米・IHS研究所は報告書でISはイラクとシリアで多くの領域を失ったが、それに反比例して、テロ攻撃を強化しているとのこと
・米軍はISの支配地域はイラク40%、シリアで20%の領域を失くしたとのこと


弱体化=テロ攻撃の活発化
この構図は度々指摘されていますが、組織が弱体化してくれば、一発逆転の理論か、または権威を維持するためなのか、分析が必要ですが、大規模なテロを引き起こす恐れが非常に高いというわけ。
しかしながら、それを懸念していたら、対テロ作戦に影響が出かねません。そこは軍も情報機関も考慮する必要はないかと。



▼有志連合の無人機がISの爆弾工場を攻撃(トルコ・デイリーニュース)
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最後に戦況ですが、トルコでは1日、インチュリック空港から出撃した米軍のドローンMQ1が、ISの爆弾製造所(シリア国内か?)を空爆。IS戦闘員2名死亡した模様です。
さらに、トルコ軍がIS領域を砲撃し、IS戦闘員9名が死亡したとのこと。
また、トルコ軍のドローンが、シリア内のIS拠点を砲爆撃し、IS戦闘員34名を殺害。ドローンは車両6台を破壊したと報じています。
このトルコ軍の砲撃は、トルコ領キリス に対するISの迫撃砲等の攻撃に対する報復のようです。



本日はここまでです。お疲れ様でした。


Mitsuteru.O


参考引用元
・アルクドゥスアルアラビ
・アルアラビアネット
・トルコ・デイリーニュース

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米軍がIS作戦にB-52を投入 集団安全保障と有志連合作戦を検証

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米空軍は9日、シリアとイラクにおけるIS作戦を強化するため、B52爆撃機の投入を決めた模様。
同機はすでにカタールに到着しており配備・出撃すればアフガン戦争以来の実戦配備となる。

▼カタールに配備されたB-52
B52

2


B52の投入は作戦上、非常に大きな意味を持つだろう。
先日のG7の記事で示した通り、軍縮の流れなど今の国際情勢に通用することはなく、自国の平和やテロリストの排除のためには軍事力の展開はやむを得ない措置である。
テロリストに対話は通用しない。かといって放置するわけにはいかない。
IS掃討作戦は、世界の平和を守るために必須の政策だと理解できる。


B-52の性能と実績


B-52は大陸間爆撃機として核兵器を搭載可能な爆撃機である。
冷戦期のソ連との対立を受けて、いつでも共産圏への爆撃や核攻撃を実施できる機体として注目された。
実際の出撃では、ベトナム戦争での「絨毯爆撃」が主な実績としてあげられる。


乗員:5名(機長、副操縦士、レーダーナビゲーター、航法士、EWO)
全長:48.5m
全幅:56.4m
全高:12.4m

最大速度:568kt(1,052km/h:M0.86)
航続距離:16,000km
搭載兵器
AGM-69A空対地ミサイル又はAGM-86B巡航ミサイルを20基。
AGM-154 JSOW空対地ミサイル
Mk 82通常爆弾を胴体内に27発。翼下には18発搭載可能。


主な出撃は
・ベトナム戦争
・湾岸戦争
・アフガン戦争
・イラク戦争


集団安全保障の現代版

有志連合作戦を徹底検証


シリア・イラクでの混乱はISの台頭により、始まった。
アラブの春が失敗に終わったことをきっかけにISなど過激派組織の勢いが増し、中東に留まらず、欧州・アフリカにもテロ攻撃を仕掛け、ISの名は世界に広まった。


そこで黙っていたアメリカなどの先進国や中東各国の有志が集まり、IS掃討作戦「生来の決意作戦」が実行された。これまでの経緯をおさらいしておこう。


2014年
8月  フランスの呼びかけで安保理招集。ISの攻撃に苦しむイラクを支援するよう呼びかける。オバマ米大統領が限定的な空爆を承認。
アメリカ中央軍がイラク国内のISの拠点に空爆を実施。フランス、サウジアラビア、UAE、バーレーン、ヨルダンも参加。

9月  シリアにも空爆を拡大
ベルギー、オランダも空爆作戦参加。その後、イギリス、デンマークも参戦。

10月  カナダも参戦表明。オーストラリアの参戦。FA-18で初の空爆。
正式な作戦名の「生来の決意作戦」を公式発表。軍事だけではなく、外交・諜報などの手段にも使うことを言及。
イラク国内の死者が553万人に達する。

11月  ISの指導者、バグダディ氏が負傷したとの情報が流れる。


国連決議とは別に行なわれる、この有志連合による軍事作戦は、東ティモールの平和維持に当たった「東ティモール国際軍が始まりと言われている。


インドネシアからの独立を宣言した東ティモールだが、これを承認しないインドネシア政府が軍事行動を起こし、併合した。その後1966年から続いたスハルトの軍事独裁政権が1998年に崩壊し、新政権のもと、独立を問う住民投票が行なわれ、独立派の圧勝に終わった。


しかし、反対派による住民虐殺事件が起こってしまった。そこで国際社会が動き、「東ティモール国際軍」の派遣をインドネシア政府に容認させ、治安維持作戦が行なわれた。
これが最初の有志連合と理解されていて、ちなみに日本の自衛隊も、インフラ整備などの貢献を果たしている。


国連決議が機能しない点は過去にも指摘したが、国連や国際法における集団安全保障の概念と有志連合における作戦は全く異なる。そもそも国連での集団安全保障の概念では国連加盟国が平和を害した場合に歯止めとなるように、構築されいるからだ。ISはただのテロリストであり、国家ではない。(ここには様々な議論がある。国家ではないが統治機能が備わっており、甘く見てはいけない。しかし国家として外交による対話ができない点では、ただの過激派組織と認識せざる得ない)


国家でもなく、国連にも当然加盟していないのだから、集団安全保障という概念は捨てなければならない。
そこで有志を募り、ISを壊滅するための作戦を実行する。それが「生来の決意作戦」なのである。
各国がそれぞれ、集団的自衛権を発動しているような、感覚である。


もっとわかりやすい例がアフガン戦争だ。
9.11のアメリカ同時多発テロのあと、当初アメリカはアフガン侵攻を、安保理決議による集団的自衛権を求めたが、国連の決議で承認されたものではないため、参加国は国連軍ではなく、さらにアメリカの同盟国でもない国も参戦したことから、これも有志連合だと解釈できる。


世界は新たなステージに突入しており、以前のような国家対国家のような戦争の形は崩れ去った。
第二次世界大戦や冷戦の反省から、国家間での不要な対立と、軍事行動は控えられ、その変わりに国家内部の争いごと、つまり民族間の紛争、イデオロギーの違いから生まれる紛争、独立を求める声から始まる戦闘が目立つようになった。


国家間の争いは先の大戦から学んだが、政治的な対立、民族間の対立による内戦が現代の国際情勢の傾向であることは間違いない。その点では軍縮という概念は間違いではないのだが、他の国で行なわれている紛争が自国に広がる懸念が残るため、簡単に軍縮という選択肢を取れるはずもない。


ISやアルカイダという2大テロ組織が世界中に脅威を与えている現状を見た時、我々は本当に軍縮というものを受け入れられることができるだろうか。その答えが、今回のB-52派遣なのではないか。


最後に日本が有志連合作戦に参加する可能性について言及する。
日本の自衛隊が軍事作戦に参加する可能性はほぼない。
いくら集団的自衛権の行使が可能になったとはいえ、航空自衛隊が戦闘機を派遣し、陸上自衛隊がシリアに侵攻する、海上自衛隊の潜水艦が地中海からミサイルを撃つことはありえない。


考えられるのは、有志連合軍への補給、そして戦争終結後、IS掃討後の治安維持、復興支援だ。
「日本の左翼派は絶対に自衛隊を派遣してはならない」「戦争反対」と言っているが、国際情勢を理解していない証拠であり、イラクやシリアの現状をバカにした発言である。それでいて難民をどうにかせよというのだから困ったものである。


日本がやるべきことは、治安維持や復興支援だ。これこそが日本が得意とする分野であり、実績も十分だ。
しかもこれからは武器を所有し、反撃もできる。今まではアメリカや他の軍隊に守られながら平和維持活動を行なってきたが、これからは日本が先導して、平和を構築できる。


さらにシリアの政権移行のプロセスにも参加してほしい。
日本は世界を代表する民主主義国家である。政治体制や統治機構、官僚機構の構築、法整備にいたるまで、日本人の知恵を活用すべきであるし、日本の外交筋もそのように働きかけるべきである。


先に述べたように、有志連合の作戦は軍事だけではない。
情報、経済、政治にも関与しているのだから、日本もその分野で参加を検討すべきである。


Mitsuteru.O

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