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日本メディアが報じない中東情勢Vol.5  (シールズ隊員死亡、安保理の非難声明)

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~この記事の要点~

・米特殊部隊シールズ隊員1名
・アレッポ空爆に安保理が非難声明
・イエメン和平にクウェート政府が仲介


おはようございます。
とりまとめ、最新の中東情勢をお伝えします。


ISの攻撃 シールズ隊員が死亡


▼イラク北部モスル近郊で交戦(CNN)
ISモスル CNN
 

イラクのモスル近郊の、クルド人部隊の領域にISが襲撃した模様です。
ここで米海軍特殊部隊シールズの隊員、1名が死亡したようです。詳細は以下の通り。


・イラク北部モスル近郊で3日、クルド人部隊の拠点がISの集団に襲われ、米海軍特殊部隊SEALの隊員1人が死亡
・現場はモスル北方約30キロの前線
・ISは車による自爆攻撃を仕掛けたりブルドーザーを使ったりして、クルド人自治政府の治安部隊ペシュメルガの検問所を突破し、さらに3~5キロ離れた基地へ攻め込んだ
・米軍はF15戦闘機や無人機から爆弾20発以上を投下して反撃した



国防総省のクック報道官は「ISを永続的に敗北させることによって、この犠牲に報いる」と述べました。
ISは弱体化しているとお伝えしていきましたが、弱体化自体は間違いないと思います。
しかしながら、前線での戦闘は戦争状態ですから、当然あるわけで、ISの襲撃を読めなかった背景に何があるのか、米軍またはクルド人部隊の作戦に改善の余地があるのかと思われます。


通信傍受や、電子兵器を使用していますので、無線や電話の傍受は必ずしているはずですが、奇襲のような攻撃はなかなか防ぎきれません。アメリカからすればシールズ隊員の戦死はショックだと思います。
テロ掃討は世界の安全に貢献しています。多数の犠牲があることを忘れてはならないでしょう。


安保理が非難決議採択


先日、シリア北部のアレッポで、病院が空爆によって破壊された事実について、国連が動きました。
安保理は本日4日にもアレッポ情勢に関する審議を行う予定です。これに先立ち3日、安保理は別の会合が行われたようで、医療機関に対する攻撃を非難し、それら機関を保護するように求める決議を全会一致で採択しました。


▼国連の安保理決議の様子(国連ニュースセンター)
国連決議 国連ニュースセンター
 

・安保理はシリア等における医療機関に対する攻撃に対する攻撃が増加していることを非難して、関係者に対して医療機関を守ることを求める決議案を全会一致で採択
・このような攻撃は戦争犯罪に当たるとしており、決議はアレッポでの施設に対する攻撃で少なくとも30が死亡した事件から1週間もたたないうちに採択された
・国連事務総長は、関係国がこのような攻撃を止めさせ、違反した者の責任を問うように求めた



この空爆はシリア政府軍、ならびにロシア空軍のによるものとされていますが、ふざけているのか、ギャグなのか、安保理は全会一致で採択しています。(ロシアが入っている)
この事実を無視して、国連は無理やり採択に持ち込むのですから、よく理解ができません。


国連は戦勝国クラブですから、この時代に不向きなのは明らかです。
しかもアメリカの役割もオバマ大統領になってからは見直されてきましたし、国連が何をやるのか、というビジョンが見えづらくなりました。
解決策は国連が考える、という時代は終わったのかもしれません。



イエメン和平の動き


和平が近いとお伝えしてきたイエメンですが、フーシの停戦が守られていないとして、政府側が和平会議の出席を拒否しているところまで、報告しました。ここで新たな動きが。
会議開催地のクウェート政府が昨日3日にも仲介に乗り出して、各方面と接触しているようです。GCCの事務局長も仲介のために3日クウェイトに到着している模様。


一方で情勢は、タエズでフーシ連合が政府軍陣地、民間人地域に対して、ロケット等を激しく発射し、またタエズに対する包囲を強めているようです。
攻撃の対象は特に、タエズの南、および東部地域。
またフーシ連合はタエズの包囲強化に成功し、住民の間の食糧、医薬品の欠乏が激しくなっています。



イエメンでもシリアでもそうですが、和平会議の話が出てからも戦闘は活発化しています。
少しでも和平の主導権を握ろうとする証拠ですね。これは戦後処理問題と理論は同じで、結局戦勝国が強いということ。
日本でもそうですが、軍事的敗北を喫した国や組織は、和平や平和条約締結時に不利な合意を求められるものです。
そのような戦後体質が現代にも染み付いているのですね。中東を注視していれば、毎日様々な動きがありますから、本当に勉強になります。


また、今後はYoutubeにて、音声でも中東のニュースをお伝えしていこうかと思います。
通勤時、暇なときにでも、教養の一つとして、中東情勢・テロ関連のニュースを(日本では報じないニュース)皆様に幅広くお伝えしていきたいと思います。
たまに、動画で姿をお見せしようと思いますが...。


そのなかで今よりも多くの方々に見てもらって、意見交換ができたら嬉しいですね。
では良い、一日を。



Mitsuteru.O


参考引用元
・CNN
・国連ニュースセンター
・アルアラビアネット


Mail:japan.in.the.world919@gmail.com


安保理がテロ防止で全会一致 空爆反対論者への反論

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国連安全保障理事会は、パリ同時テロから1週間となった20日、同テロを実行したイスラム過激派組織「イスラム国」によるテロ防止に向け、「あらゆる必要な措置」を国連加盟国に求める決議案を全会一致で採択した。
決議案はフランスが主導し、19日に提出した。パリ同時テロや10月末のロシア旅客機墜落などを「イスラム国」の犯行と明示した上で、「最も強い表現で明確に非難する」とした。
読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/world/20151121-OYT1T50097.html?from=ytop_ylist

決議にはアルカイダなど他の過激派も含まれている スプートニク
決議にはアルカイダなど他の過激派も含まれている スプートニク
 
ようやく国際社会が共通の声明を発表できたわけである。遅すぎた印象がある。パリでの多くの犠牲者が出て初めて危機感を持った印象があり、非常に憤りを覚える。当然ながらこのような社説を書く日本の新聞はない。

ISを放置した結果(もちろん空爆などはしていたが、本腰を入れていなかったという意味で)世界各国の安全保障を脅かす存在にまでなってしまったテロ組織を、どうすべきか。もはや壊滅作戦しかないのだろうか。
少なくとも、対話に応じない相手である。外交交渉で解決できない場合は、武力行使をする。この原則はこれまでの世界史を見れば当然の成り行きだ。

ロシアのスプートニクは次のように伝えている。

テロリストらがイラク・シリアの広い範囲に打ち立てた「安全地帯」を破壊するよう呼びかけた。

また決議は、国連加盟諸国に対し、イラク・シリアへの外国人の流入を防止し、テロリストへの資金の流れを止め、石油や文化財の売却益がテロリストに流れ込むのを止めるよう呼びかけている。タスが伝えた。


スプートニク http://jp.sputniknews.com/politics/20151121/1198681.html


ISへの攻撃を否定する理由は?


世論ではISへの空爆を支持しない層もいる。
その主な理由は
・ISへ空爆することにより、テロの対象とみなされて国内のテロ被害の危険性が増す
・緊張を高めるべきではなく、対話を重視すべき
・空爆を行なうことで、新たな難民が発生する



これらがISへの空爆を反対する理由だが、実に一方的な見解である。
まずISへの空爆が国内のテロを誘発するという論理は通用しない。なぜならISからすればイスラム原理主義(誤解の無いように補足するが原理主義でも穏健派は存在する)以外の宗教・思想は全て「十字軍」と見なして攻撃の対象となっているからだ。
空爆を行なっていないからといって、それが抑止力になるわけではないく、空想・願望にすぎない。

さらに、ISの本隊、つまりシリアやイラクで訓練を受けたテロリストがISなのではなく、国内でIS思想に感化された人間がその国内でテロを起こす可能性もあるわけだ。難民や観光客を装って潜伏し、国内で武器を調達し、爆発物を製造する実態がすでにあらゆる国で確認されている。

日本のお隣である韓国でも、爆発物を製造した疑いで過激派の外国人が逮捕されている。韓国国家情報院もその後の詳細は明らかにせず、日本のメディアも全くもってこのニュースを報じないが、これが現実である。

テロを防ぐには、直接テロリストを叩く以外に現在のところ、最善の手段は無い。残念ながらこれが現実だ。
そしてISと対話をするなど、できるはずがないとわかっていながらなぜそんなことを言うのか。論外である。
戦争反対、テロ反対、空爆反対と言っても仕方ないのである。まるで子供の論理である。現実に起こっていることを受け止め、最良の選択を行なわなければならないのだ。しかも早急に。

難民発生については議論の余地が残されているが、難民が発生したメカニズムをもう一度押さえて欲しい。
シリアに関してはまず、内戦勃発が全ての原因だ。シリア国民は、アサド政権と反体制派の武力衝突により普通の暮らしができなくなった。その混乱に乗じて、ISが侵攻してきた。一般のシリア国民は外国に逃げる以外に自分の命を守れない選択肢しかなかったのだ。つまり、難民問題の根本的な原因は「国内の秩序」にある。

空爆をすることで新たに難民が出る恐れはある。これは否定できない。
しかし、これは軽々しく扱う問題ではなく。「究極の選択」である。
つまり、 新たな難民を出すことと、テロで新たな死者を出すこと。どちらを優先すべきなのか。
論点はここなのだ。その点でいうと、国連が今回、ISへの決議案を「全会一致」で可決したことは、その答えではなかろうか?

全会一致でISへの抑止力を高める。そしてISを弱体化させることでシリアの安定化を図り、秩序ある政府国家を作り直す。その結果難民問題も解決する。世界各国はこのような決断をしたのだ。
ちなみにシリア和平協議も並行して行なわれている。ここに日本が参加していないのが残念なのだが。

それを知らずにただ「空爆は新たな難民を生む」
「ISを挑発するだけ」と言って対IS作戦を批判する方々は非常にナンセンスな発言をしていることに気付くべきだろう。それはパリ同時テロで悲しむフランス国民の怒りを生むことにつながるだろうし、日本を含む全世界がISへの攻撃を支持する中で、何も実態を理解せずに発言することは、自ら勉強不足だと言っているようなものだ。

国際社会が一致して、IS戦争に挑む。これがパリで犠牲になった方々や、これまでのテロ攻撃で犠牲になった方々への、思いを背負った国際社会の答えだ。
何度も言うが、IS戦争はこれまでの従来の戦争ではない。相手はIS。外交も対話も通じない。これを頭に入れて戦局を見守りたい。日本もいつどこで攻撃を受けるかわからない。覚悟はしておくべきだ。

最後にロシア軍のクルーが爆弾に「パリのため」と書いているニュースをお伝えする。

ロシア空軍のクルーが書いているようだ アラブ・エルサレム紙
ロシア空軍のクルーが書いているようだ アラブ・エルサレム紙

これはロシア国防相が流したとされているが、フランスとロシアの連帯が進んでいることを示したいと思われる。
恐らく日本のマスコミはこれを取り上げないだろう。世界がどのように動いているか、知ることができない現状をとても悲しく思います。


TERU

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