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南シナ海と尖閣を取り上げない日中首脳会談に意味はあったのか?

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ただ会うだけの首脳会談を国民は見飽きている


会談の様子



 ここ連日、ASEM首脳会談の出来事を取り上げて記事をアップしていますが、今回が最後になります。
今回は一番重要な日中首脳会談の検証を行っていきたいと思います。
モンゴル・ウランバートルにて安倍首相は中国の李克強首相と会談。約8ヶ月ぶりの会談となりました。


 日中間の直接的な懸念材料としては、やはり尖閣諸島の問題が存在します。
歴史的にも国際的にも、日本の領土であることから日本政府としては領土問題が存在しないという考え方ですが、沖縄を獲得したい中国としては尖閣を領土問題化させて、日本を交渉テーブルに乗せたいと思っています。
そのために、尖閣周囲に海警局の船舶や中国軍の戦艦を展開させ、尖閣が領土問題化していることの既成事実を作り上げているのです。


 日本としては尖閣に挑発的な行動を取らないように求め、万が一の場合には武力を用いて対処せざる得ないことを、直接伝えるべきなのです。
そして南シナ海で軍事目的とした埋め立て工事を進め、周囲国に脅威を与えていることへの懸念を伝えるべきです。
以上の点を踏まえて、この日中首脳会談はどのようなことを話しあわれたのでしょうか。


何の意味の無い ただ会うことが目的の会談


日中首脳会談


 会談の冒頭で李克強首相は次のような発言をしました。
「日本には,4つの基本文書を遵守し,歴史を鑑に未来に向かうとの精神にのっとって,日中関係の改善のために努力してほしい」


 ちなみに日中間の4つの基本文書とは次の通り。
1 双方は,日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し,日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した。
2 双方は,歴史を直視し,未来に向かうという精神に従い,両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。
3 双方は,尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し,対話と協議を通じて,情勢の悪化を防ぐとともに,危機管理メカニズムを構築し,不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。
4 双方は,様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して,政治・外交・安保対話を徐々に再開し,政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた。


 日中関係の改善のラインはどこなのかよくわからないですが、それを守ろうとしていないのはどちらの国なのでしょうか。
李克強首相 が言う「未来に向かう精神」とはどのようなものなのか。
それは尖閣周囲の海域を中国のモノにし、沖縄を併合して中国艦隊が太平洋に進出することなのではないだろうか?それが中国の目指す「未来」ではないでしょうか。
自衛隊を無力化し、日本の防衛体制を崩すこと。日本共産党が「自衛隊は人殺し」と言っていることの裏づけがここで説明できます。


 「未来に向かう」という日本側の認識は、「戦後の責任を逃れるわけではないが、国交正常化30年が過ぎ、戦後の賠償も終えて中国は経済的に発展して大国になろうとしている。過去の戦争は清算できたのだから、未来志向にお互いの利益を追求していこう」政府としての見解は一応はそのようなものでしょう。
しかし、中国の理論は「日本は戦争に負けたのだから、わが国に逆らうな」という感じです。なにも敬意が感じられません。
日中関係を緊張させているのは世界の誰が見ても中国です。それなのに「日中関係の改善のために努力してほしい」などというのはレベルの高いギャグでも言っているかのようです。


攻撃的になれない安倍首相も北朝鮮を軸に交渉


 安倍首相の主な発言は次の通りです。
「テロがアジアに浸透しないように,中国を含む国際社会と一層連携を深めていきたい」
「北朝鮮に対し,挑発行動の自制,安保理決議等の遵守を共に強く求めたい」
「我が国は,従来から,「法の支配」の下で,紛争を平和的に解決していくことの重要性を指摘してきている」


 安倍首相も最大限に気を遣った印象です。元々温厚な方であると聞いていますし、厳しい交渉には不向きな面もあるかと思います。(盟友の麻生副総理とは正反対)
しかし、安倍首相の心の中では「中国よ、いいかげんにしろ」と思っているに違いありません。
テロを材料に中国にも国際的に協力する国家になってほしいという安倍首相の気持ちが透けて見えます。
また、北朝鮮に影響力のある中国に対し(最近では中国の言葉さえも北朝鮮は無視する傾向にあると報告されているが)東アジアの責任者の一人として平和に貢献せよ、と言っているのだと思います。


 また、南シナ海や尖閣の問題にも触れませんでした。私個人的にはガッカリです。
尖閣についての言及は何らかの形で触れてほしかった。その思いがあります。日本人として非常に悔しく思います。
次官級や当局者の対話がある程度進んでいるなかで、関係が悪化することを恐れたのでしょうか。
首脳会談前にマスコミの報道で、会談のある程度の内容がわかる時代になっていますから期待はしてなかったのですが、予想通りの結末になってしまいました。


アジア外交を終えて


 安倍首相は保守政治家として多くの日本国民の期待を背負っています。若い世代から高齢者の方々まで人気のある総理大臣です。
しかしこのままでは保守派の不満が溜まっていく恐れがあります。安倍首相と首相を支える周りの人たちはその懸念を共有しているでしょうか。


 集団的自衛権の限定行使を可能にした平和安全法制も、結果的には「限定的行使」に留まりました。
これで完全に日本の国防と、日本人の命が守れるのかといえば必ずしもそうではありません。
また、拉致問題も進んでいません。今回の日中首脳会談で拉致問題に協力するように中国に呼びかけても良かったのではないでしょうか。


 今回の安倍首相によるASEM外交全体の評価としてはまずまずだったと思います。
中国以外の首脳とは「中国包囲網」の構築に一定の手応えがあった印象です。


 周囲国を巻き込んで当事者意識を植えつける。その結果中国や北朝鮮の自制を促す。そのような外交戦略であることが伺えます。
ただ直接会うことだけが目的の首脳会談など、もう国民は見飽きています。
仲の良い米国やEUの首脳とばかりサプライズを演出するのではなく、関係が緊張している国家とも、内容が良くても悪くとも、国民に真剣に話し合っていることをしっかり伝えていくことが、今後の日本外交の課題であると私は思います。


Mitsuteru.O




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なぜ誰も目の前の脅威に触れないの?ASEM首脳会議の議長声明を徹底検証

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 ASEM首脳会議が閉幕したことについて、前回の記事で安倍首相の外交成果をまとめました。
さて今回は議長声明を徹底検証したいと思います。
議長声明については日本のマスコミも「中国の南シナ海問題についての名指しを避けた」と報じています。
しかし、それだけではありません。指摘されるであろう問題点がたくさんありました。
マスコミはセンセーショナルな記事しか書きません。今回は議長声明を徹底検証して、皆さんとともに考えていきたいと思います。

ASEM首脳


CO2削減目標を中国が守るのか?


 議長声明の冒頭に、持続可能な開発のための2030アジェンダ についての言及がありました。
2030アジェンダとは気候変動や環境破壊から持続可能な地球環境をいかに構築していくか、その目標を定めたものです。
「ミレミアム開発目標」の後継目標とされ、17の目標と169のターゲットから構成されていて、150を超える加盟国が参加しています。


 その議長声明の記述の中で、
「温室効果ガス排出が抑制され,気候変動に強靭な開発へと変革することになることを念頭に置きつつ,首脳は,これらの合意における均衡と原則を反映しつつ,国家, 地域及び国際レベルで,これらの文書における目標の適時かつ全面的な実施に向けて協働することに合意した」
とあります。


 もちろん2030アジェンダには中国も参加しています。
ご存知の通り、中国は大気汚染大国です。経済成長にはどうしても環境破壊が付き物で、多くの二酸化炭素を排出することになりますから永遠の課題とも言えます。
自国の経済成長を優先しすぎて、途上国などの森林や海を汚染してしまう恐れがある。それを最小限に防ぐための目標がCOP(国連気候変動枠組条約)であり、2030アジェンダでもあるのです。
COPの会合でも途上国と先進国のCO2排出削減目標で揉めに揉めたことを覚えていますか?
中国は普段、軍事や経済に関しては「先進国」と名乗り、環境問題については「途上国」と名乗ります。
つまりCO2排出削減を受け入れてしまうと、自国の経済成長に悪影響が出る。そんなことをしていては米国に対峙できない。そんな思いがあるからでしょう。


 上記の議長声明で「全面的な実施に向けて合意した」とありますが、本当でしょうか?
あなたは信じられますか?
議長声明は腐っても議長声明です。国際社会に向けて公式に発表されるその文書に、ここまでの確約された合意があったことを書いた事実は大きい。
中国が大気汚染を減らす努力を本当にするのか。隣国である我々日本人も注視しなければなりません。PM2.5などで我々も被害を受けているのですから。


安倍首相は議長声明に満足?

ASEM安倍首相


 次の注目すべき文言はこちら。
「普遍的に認められた国際法の原則及び国連憲章に従い,平和的手段によって世界各地における紛争調停を円滑に行い,紛争を解決するとの観点から,中東,アフリカ,ウクライナ,朝鮮半島における最近の状況,拉致問題を含む北朝鮮の人権状況等,共通の関心・懸念事項である国際的及び地域的な問題に関する協力を促進,強化する方法について意見交換した」


 国連憲章についてに触れていますね。すでにご存知の通り、国連憲章の基本的な考え方は「集団的自衛権」です。
ASEMは集団的自衛権を行使して、紛争を解決していくと宣言しています。ここはかなり重要な部分です。中国は日本の集団的自衛権の限定行使について「懸念している」という趣旨の発表をしていました。
それなのにASEMの議長声明に盛り込まれたことについての言及はありませんし、この声明の中身について激しく折衝したという事実もありません。
中国が議長声明やあらゆる条約を軽視している証拠でしょう。


 そして日本国内の平和安全法制を廃止しようとする勢力の方々はこの声明を読んだほうがいいでしょう。
国際社会、世界各国の共通認識として、「戦争を防ぐための手段として第一に集団的自衛権」という考え方が常識です。
国連憲章に書かれている通り、集団的自衛権の行使がグローバルスタンダートなのです。
日本が今まで行使してこなくても平気だったのは、脅威が存在しなかったこと、米軍の軍事的影響力が健在であったことが大きいのです。
時代は変わりました。適応するために、国民を守るために安倍首相は当たり前のことをやったにすぎないのです。
ですから反対派の方々はこの世界の常識を覆す代案を示さないかぎり、ただの机上の空論に終わることを認識すべきでしょう。


 私が一番驚いたのは拉致問題の解決に向けた記述が見られたことです。
これは安倍首相も満足いくものになったのではないでしょうか。
ASEMはアジアだけでなく、欧州も参加する枠組みです。欧州も北朝鮮の拉致問題に巻き込むことで、国際的に北朝鮮に対して圧力を掛けることができます。
ここは外交的価値のある、安倍外交の成果を言っていいでしょう。


最大の問題点はやはり南シナ海問題の無視


 これは触れざるえません。正直がっかりです。
中国どころか、「南シナ海」と言う文字さえ見当たりません。
「国際法の原則に完全に従って,平和,安定及び繁栄を確保すること,海洋の安全保障,安全及び協力,航行と上空飛行の自由及び阻害されない通商を促進すること,並びに海賊と闘うことにコミットすることを改めて表明した」


 海洋安全保障についての記述はこれだけです。
安全保障全体の記述としては国際テロ、中東、アフリカ、北朝鮮、アフガニスタンなど多くのことに言及したにも関わらず、中国についても南シナ海についても全くの無視です。
こんなことがまかり通っていいのでしょうか。国際的な批判を受けてもおかしくないにも関わらず、ASEMは無事成功した。というような雰囲気です。


 アジアのみならず、国際社会の代表的な脅威として、南シナ海問題は認識されているはずです。
国連やG7ではロシアを平気で批判しながら、中国にだけ気を遣う理由はやはり経済の力が働いているからでしょうか。
考えてみればアジアでのASEM加盟国は、ほとんどが途上国です。中国マネーによってインフラ整備や国民の生活が向上している側面もあります。
「中国に気を遣った」まるでヤクザの親分のように、本当は悪人なのに、カネや暴力を行使して弱者を脅迫するやりかたと同じです。
マスコミはここまで書けないでしょう。真実は恐らくここで言及したようなことだと思います。


 国際会議で必ず出される議長声明や共同宣言は、国際社会に向けて出される公式な文書です。
ここで合意されるものは、条約であれば国会で批准し、法整備をしなければなりませんし、合意されたものに関しては最大限の努力をしなければなりません。
それが国際ルールです。


 しかし、それを守らない国が日本の近くにあります。それが中国です。
南シナ海問題について仲裁裁判所が裁定を下し、中国の領有権や軍事目的の開発を認めないとした判決を下しました。
中国はそれを無視し、新たな軍事訓練を実施しています。国際ルールを守らない国に、世界をリードする資格が与えられていいのでしょうか?


 アジアの未来については、国民を巻き込んだ真剣な議論をすべきです。
日本の将来さえも影響を与える課題ですから、急ぐ必要があります。


議長声明全文・日本語翻訳版 http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000174269.pdf


Mitsuteru.O


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テレビが報じない安倍外交 ASEM首脳会議で日本が得た成果をおさらい

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 7月15~16日にモンゴル・ウランバートルにて行なわれたASEM(アジア・欧州会議)首脳会議で日本の安倍首相は多数の国家の首脳と会談を行なった。
安倍首相が掲げる「地球儀外交」の実践であり、積極的に日本の考えを世界にアピールし、それが国益に結びついていることを高く評価したいと思っている。
しかし、残念なのは日本のテレビニュースをはじめとした大手マスコミの報道姿勢。もう何度何度もこのブログでマスコミ批判をしているが、(このブログがマスコミ批判を中心に展開しているので、それが理由に実際に私は大手マスコミの採用に落ちた経験がある!)とにもかくにも、日本の代表である総理大臣が他国とどのような話し合いを持ったのか、詳しく報じないようでは、マスコミの仕事を放棄しているようなものである。だから代わりにこのブログで発信し続けているのであります! 

歓迎式典

ASEM


安倍首相は訪問先のモンゴルにて以下の国の首脳と会談した。
・モンゴル
・EU
・カンボジア
・ベトナム
・中国
・バングラデシュ
・ドイツ
(韓国とは立ち話のためここでは省略)
また、中国との首脳会談も行なわれた。中国については後日検証記事を書くので、ここでは省略させていただきます。
今回は各国との首脳会談の重要ポイントと、今後の日本への影響を一緒に考えてみたいと思う。


着実に中国包囲網は構築されていることを実感


まずは議長国のモンゴル、エルベグドルジ大統領との首脳会談。

モンゴル


安倍首相
「日本とモンゴルは基本的価値を共有する地域の重要なパートナー。モンゴルの自立的発展のためにできる限りの支援を惜しまない」
「北朝鮮による弾道ミサイル発射は核ミサイル開発の進展を示すもので,北朝鮮の安全保障上の脅威は新たな段階。北朝鮮の行動を変えるためにも安保理決議の厳格な履行や外交的働きかけを通じ,圧力を強めることが重要。北朝鮮の非核化につながるよう協力をしていきたい。また,拉致問題へのモンゴルの協力と理解に感謝している」

エルベグドルジ大統領
「安倍総理のイニシアティブの下で「戦略的パートナーシップ」のための行動計画が順調に進展。次の段階の行動計画にも今後合意し,鉄道,石炭,産業クラスター形成等で協力を進めていきたい」
「交関係樹立45周年に向けて幅広い行事を実施したい」

主な一致点は
・日・モンゴルEPA協定発行を歓迎
・テロを断固非難。バングラデシュでのテロの犠牲者に追悼の意
・モンゴルは日本の平和安全法制を改めて支持

地政学的に北朝鮮、中国との距離が近いモンゴルは日本にとってとても重要な国であることは言うまでもない。
その点は中国もわかっていて、現在モンゴルには膨大な中国マネーが投下されていて中国の影響力も高まっている。
やはり途上国側からすれば先進国からの経済支援が必要であり、確かな技術と良質なインフラ設備などは魅力的である。質で言えば日本の技術は中国の何倍もの価値があるだろう。
安倍首相は拉致問題についてもしっかり言及。北朝鮮に何らかのチャンネルがありそうなモンゴルを経由して、拉致被害者の帰還につなげたい。


次はカンボジアとの首脳会談。昨年11月の東アジアサミット以来となる。

安倍首相
「カンボジアは,ASEAN統合の鍵を握る重要な国であり、日本は質の高いインフラ輸出やメコン連結性の強化や産業人材の育成等を通じ,カンボジアへの支援を継続する」

フン・セン首相
「今日のカンボジアの発展は日本の援助と切り離すことはできない,安倍総理と自分の二人のイニシアティブで開始した直行便の就航を楽しみにしている,また,安倍総理と共に開始した貿易促進についても,10億ドルに達した,日本がカンボジアの重要なパートナーであり,共に仕事をすることができていることを嬉しく思う」

あまり知られていないことだが、(マスコミが報じないだけ)安倍首相は2013年にカンボジア訪問をした際に、選挙改革支援をカンボジア政府に助言を行なっている。その成果がカンボジアの政治に反映されていることを高く評価している。こうして日本の選挙制度とか官僚制度、法整備の仕組みなどを途上国に輸出することも今後の日本にとっては重要なことだろう。中国包囲網のためにも。
そしてカンボジア政府は日本の平和安全法制を支持している。ここの見逃してはならない重要なポイントである。


次にEUの幹部との会談。伊勢志摩サミット以来となる。

日・EU


安倍首相
「EUと英国が協調して今後の交渉の見通しを明確にすることを求める」

EU側
「離脱プロセスにより法的に何かが止まることはなく、日EU関係に何の変化も及ばさない、EUは信頼のおけるパートナーであり続けたい」

やはりEUの話題と言えば英国のEU離脱問題。英国民が決断してことなので、どうにもならないが、あまりにも国際社会に与える影響が大きいためEUは焦っているだろう。
安倍首相もその点を強調している。日本にとっては経済への影響が最大の懸念材料であり、株価や為替の不安定な動きは見過ごすことができない。
その他にはEPA協定の年内妥結を引き続き目指していくことで一致。
そして日本にとって一番重要な中国の南シナ海問題における仲裁裁判所の裁定については、EUは現在声明の取りまとめの最終段階にあるとして逃げた印象。やはりEUにも中国マネーの影響力が働いているのか。


続いてベトナムとの首脳会談。フック首相とは伊勢志摩サミット以来。

ベトナム


安倍首相
「引き続き両国間の信頼関係を強化し,「広範な戦略的パートナーシップ」の下,あらゆる分野での協力を強化していきたい」

フック首相
「G7に招待頂き感謝したい。その際の盛大なおもてなしと二国間首脳会談を実現頂いたことに感謝している」

主な一致点は以下の通り。
・南シナ海での日本との連携を今後も緊密にしていく
・海洋安全保障、航行の自由が確保されることが重要
・ベトナムの海洋執行能力について日本は日豪と連携してベトナムを支援する

南シナ海での緊迫した状況に対峙する当事者である。フィリピンとともに自国の領海が脅かされる事態になっているので、議題も南シナ海問題に終始したようだ。
東シナ海で尖閣周囲での中国の行動を見ている我々にとっても南シナ海は周囲国と価値観を共有できるはずだ。米国が動かなくても、そんなことは関係なく日本は海洋安全保障の協力を進めるべき。


続いてバングラデシュとの首脳会談

バングラデシュ


安倍首相
「ダッカ襲撃テロ事件で尊い人命が多数奪われたことは遺憾。テロはいかなる理由でも決して許されるものではなく,断固として非難する。亡くなられたバングラデシュの方に改めてお悔やみ申し上げるとともに,バングラデシュへの強い連帯の意を表明する」

ハシナ首相
「今般のダッカにおけるテロ事件に深いショックと悲しみを覚える。7名の邦人の方が犠牲なったことに対し,安倍総理,日本国民,御遺族に心からお悔やみを申し上げる。今般の邦人犠牲者は,バングラデシュの開発と発展に尽くしていた方であり,大きな悲しみ。テロリストはテロリストであり,国境も宗教もない。今回のASEM首脳会合でテロを許さないという強いメッセージを出すべきである。安倍総理のASEM首脳会合でのスピーチは力強いメッセージであった」

悲しみが溢れる首脳会談となった。なんといってもダッカで起こったテロ事件である。両国の犠牲者をまずは静かに追悼することから会談は行なわれたようだ。
アジアで大規模なテロが起きた衝撃は計り知れないほどのショックと、日本人に犠牲者が出たことで、一般国民にもリアルに感じられたはずである。
にも関わらず、マスコミは2、3日、ダッカテロの報道をしておしまい。納得できるわけがない。


最後に安倍首相と仲の良い、ドイツ・メルケル首相との首脳会談。伊勢志摩サミット以来である。

ドイツ


安倍首相
「英国のEU離脱について、不透明感の払拭と今後の予測可能性を高めるために、EUと英国が協調して今後の交渉の見通しを明確にすることを求める」

メルケル首相
「欧州統合にとって大きな節目となる出来事だ。まず英国が何をどうしたいのか明らかにする必要がある」

一致点は以下の通り
・ダッカ、ニースでのテロを断固非難する
・安倍首相がメルケル首相に誕生日のお祝いの言葉を寄せた(17日が誕生日だった)」
・緊密な日独関係を今後も構築していくことで一致

否が応でも英国の話題になってしまうが、現時点では致し方ないか。あまり中身のある会談にはならなかったようで、一層ドイツとの関係を緊密にしていくことで一致したといえる。
日本とドイツは「有能な経済大国」としてやはり中国に対抗して、途上国支援を行なっていく責務があると思う。ドイツとなら日本は協力してやっていけるだろう。


安倍外交の成果は着実に実感 次は中国依存の打破を


ASEMを振り返ると、大抵の国は中国のマネーを頼りにしていることがわかる。
中国も経済支援がどれだけ大きな影響力を発揮するか理解しての行動だ。ただ問題は経済で甘い蜜を吸わせながら、軍事力を高めて各国の脅かす手法をしていることだ。
この手法が信頼に値するだろうか?そのような汚いカネで自国の発展をすることが正しいことなのか?
中国の力を借りようとする周囲国はこのことを考えて欲しい。


確かに日本経済も中国依存の傾向にある。小売、観光、様々な分野で中国人の消費による恩恵を受けているのは間違いない。
しかし、中国が今後も尖閣や石垣島周囲を脅かす行動に出る、または一歩二歩踏み込んだ行動に出れば、国交断絶も視野に入れるべき。
中国の南シナ海の軍事化、東シナ海の挑発、サンゴ礁の密漁は絶対に許されない行為であり、100%中国が間違いであると確信する。ならば日本は正論を武器に国際社会に訴え、必要ならば中国との関係を切るべきだ。


考えて欲しい。マスコミは伝えないが、ほぼ毎日、尖閣周囲の接続水域を中国船が航行している。
マスコミが報じないものだから、すでに既成事実になってしまっている。当たり前の光景になってしまった。
ありえないことである。内閣官房も防衛省も、もっと強く抗議すべきである。
ASEMを通して中国包囲網が進んでいることは確かなのだから、日本は自信を持って、行動を起こすべきである。


Mitsuteru.O

国民を守るためには?若い世代にもわかる平和安全法制の是非


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