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北大西洋条約機構(NATO)が、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討に向けた米国中心の有志国連合参加に向けて調整を進めていることが複数のNATO外交筋への取材で分かった。テロ対策での役割増大を求める米トランプ政権の意向に沿った形だが、慎重な一部の加盟国に配慮し、戦闘活動は行わないことを強調し、25日のNATO首脳会議での合意を図る。(毎日新聞)


半端な介入と無関心が危機を招いた


このニュースはトランプ大統領の意向がほぼ100%実現したと言っても過言ではない。NATOを対IS戦争の当事者に招くことで国際包囲網を構築することにひとまず成功した。米国とNATOは切っても切れない関係であるためNATOも地域の国防を鑑みた際に致し方ない決断だったのだろう。


しかし抜け落ちる点がある。NATOは直接的な軍事行動を取らないようだ。予算やリスクを重く見る一部の加盟国が軍事行動に後ろ向きなためである。ということはどういうことか。何も変わらないということである。明日、NATO首脳会議が開かれるが、それに合わせた名ばかりで偽りの参戦発表となった。


英国でテロがあったように欧州ではテロをいかに防いでいくかが大きな論争を呼んでいる。その割には対IS戦への積極的な軍事作戦の参加には後ろ向きだ。国内でのテロ対策と抑止に手がいっぱいになっているのだろうか。


トランプ大統領、NATO首脳会議に出席決定

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「NATOは時代遅れ」だと痛烈な批判を展開していたトランプ氏が、このほどNATOのストルテンベルグ事務総長と電話会談し、5月下旬に開かれるNATO首脳会議に出席することで合意したようです。

NATO

会談内容と一致点は以下の通りです。(AFP、産経)

・軍事費の応分負担をどう実現するかについて協議
・すべての加盟国がGDPの2%まで防衛費を増額する可能性についても議論
・ウクライナ危機の平和的解決の可能性に関して話し合ったほか、安全保障分野で緊密な連携を続けることでも一致

日米同盟でさえ、駐留経費負担をもっと計上せよというくらいですから、「時代遅れ」と批判したNATOに対しても軍事費負担を迫っているようですね。まあ、そうでないと日本人である私達は納得しないですよね...。

なにはともあれNATO首脳会議に出席の意向を示したことで、欧州の首脳もまずは一安心といったところでしょうか。クリミア紛争やテロなど、欧州の安全保障環境も依然として緊迫状態が続いていますから、米国の関与は絶対に手放せないのが実情です。

先日のEU非公式協議で、米国の必要性は改めて示された形になりました。トランプ氏がいくら問題児だといえ、米国の協力はEUの安定とNATOの役割を考えたとき、必要不可欠なのは明白です。そのジレンマを抱えながら、当分は欧州の苦悩が続いていくと考えられます。

(大阪発・Mitsuteru.O)
note:https://note.mu/japanintheworld 
 

NATOが難民対策実施へ 難民さえも安全保障の課題に(NOW! TIMES)

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NATOはベルギーのブリュッセルで2日間にわたって国防相会議を開き、EUとの連携や難民問題など様々な課題について集中的に協議した。
そのなかで、北アフリカのリビアを経由してヨーロッパに渡る難民や移民の流入を抑えるため、EUが地中海で行っている密航業者の取り締まりを支援していくことを決めた。

NATO
 


難民問題がNATOの重い腰を上げた


具体的な取締り方法は、密航業者の動きを監視する偵察機と巡視船を今後2週間以内にイタリアとリビアの間の海域に派遣して、密航業者の実態を把握し、違法な難民の越境を防ぐことである。この背景にはリビアからイタリアに向かうルートに、エリトリアやナイジェリアなど主にアフリカからの難民や移民が多く押し寄せていることにある。NATOは以前からEUから支援を求められていて、その重い腰を上げたということになる。

難民問題はすぐに解決できる性質のものではなく、まず難民を出している当事国の紛争が終わらなければ何も解決しない。本来、欧州の安全保障という軍事的側面を抱えるNATOは内戦への介入を避け、難民が違法に欧州に押し寄せることを防ぐための”防衛”措置に回っている。本来のNATOの任務なのか?と何か違和感を感じざる得ない。


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忘れがちな難民問題の本質

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現代社会は大きく進化を遂げ、人々の生活を飛躍的に向上させてきた。
ネットの普及、ロボットの開発などにより今後も便利な社会が訪れることは必至だ。
しかしどれだけ時代が進んで快適な世の中が訪れようと、防げない問題はいつの時代も変わらぬままだ。
戦争や飢餓、環境破壊。様々な問題があるなかで、最近になってメディアにより大きく取り上げられているのが難民問題だ。

1  AFP
AFP通信


問題追及の矛先は本当に受け入れ側なのか?


日本未来マガジンの9/8付けの記事でも難民問題を取り上げたが、ひとつだけどうしても引っかかることがある。
どのテレビ、新聞も難民を素直に受け入れないヨーロッパ各国の批判や情報ばかりを流している点だ。
これは日本のメディアだけでなく、欧米の主要メディアも同様だ。

確かに当初のヨーロッパ各国の動きは鈍く、批判されるのは致し方ないだろう。
国境付近を大量に難民が殺到したにも関わらず、対応に不備があり国際社会に大きな衝撃をもたらした。

2  AFP
AFP通信

しかし、難民が出てしまう背景にはなにがあるのだろうか?そこを理解していないと、難民問題の正しい理解と解決策は見つからないだろう。

最大の問題は言うまでも無く、難民を出している国々だ。
シリア、イラク、エジプト、リビア、ソマリア、南スーダン...。
これらの国の紛争解決に国際社会は本気で取り組んできたのだろうか?
難民問題の最高の解決策は、難民を発生させないことである。そのような当たり前の理論をなぜ影響力のある大手マスコミは問題提起しないのだろうか。

さらに言えば、難民問題はこの夏の終わりに初めて表面化したのではなく、今年の春先からすでに大きな問題となっていた。
その時点でこのような事態になるのではないかという予想ができていれば、今も混乱は無かっただろう。
「たられば」は禁物だが、危機を前もって予想し、対処すること。それが政治の役割であり、メディアが問題提起するものである。

3  CNN
CNN

難民問題はチュニジアから始まったアラブ諸国の民主化運動、いわゆる「アラブの春」の大失敗を確実なものにした。
民主政治を目指した民衆は政治的な手法により幸福を追及したが、武力衝突と派閥・宗派争いで最終的には難民を生み出した。

この「アラブの春」の時点で民主国家、平和国家の象徴である日本は何か手助けできることはなかったのだろうか。
例えば、憲法起草のアドバイザーや治安維持のための自衛隊派遣。議会運営や選挙運営の手助け。民主化を進めるプロセスをもっとうまく機能させていれば、あくまで希望的観測だが、ここまでの混乱は無かったのかも知れない。


民主化失敗はアメリカのせい?


「アラブの春」で一番悲劇的な末路を辿った国は、シリアだろう。アサド政権による独裁政権に反発した民衆は、ムスリム同胞団などと組んでアサド政権の打倒を目指した。
しかし、このような政治的な運動に慣れていないシリア人たちはまとまれず、アサド政府軍の武力行使により大混乱に陥り内戦に突入した。
その混乱に乗じてIS(自称イスラム国)が支配地域を広げてしまった。
アメリカがもっと早く介入していれば、という声は多い。ただこの責任をアメリカ一国に負わせる論理は正論なのか?

オバマ大統領は就任当初から「アメリカは世界の警察官ではない」と発言していることから、アメリカが介入に消極的なのは予想できたはずだ。
さらに国連が機能しなかったのは、ロシアがアサド政権を支援していたことから、安保理で拒否権の行使を発動するためであった。
そこでPKO(国連平和維持活動)の派遣は視野になかったのだろうか?

4  AFP
AFP通信

もっとも早期に動くべきだったのは、NATO(北大西洋条約機構)だ。7月になってトルコの要請で緊急会合を開いたが軍事行動はせず、トルコは単独でシリア空爆に踏み切った。
これは危険で高度な予測だが、アサド政府軍が化学兵器を使用したタイミングでNATOが軍事介入すれば、どうなっていただろうか?
ロシアがアサド側に付いて、戦争になっていただろうか?この場合、アサド政府軍に勝ち目は無いだろうからロシアは介入しなかったのかも知れない。

私は先日までそう思っていた。しかし、この場をお借りして私はまだまだ未熟だったことを打ち明ける。
ロシアは先日、シリアへの戦闘機配備を含む軍事支援を明言した。さらに無人機も配備するという。予想をしていなかった。

しかし、もしあのタイミングでNATOが創設したての即応部隊を派遣し、短期で決着させることができたなら。いや、それしか方法はないだろう。
なぜならあの時、ロシアはクリミア問題を最優先していたのだから。

国際社会(私たちも含む)が難民問題を解決するには、まずは原因になっている紛争の解決を急ぐことだ。
政治にその意思が無いのなら、マスコミが問題提起する。マスコミが大事なことを報じないなら、一般大衆が政治・マスコミに気付かせる。
これは難民問題に限らず、様々な問題に適用できる手法だ。しかしその主張は正しいものでなくてはならない。だからこそ、現代人は国際情勢を俯瞰できるスキルが必要なのである。

最新の情報ではEUが緊急会合の中で、シリア周辺諸国へ1300億円規模の追加支援を実施する方針で合意した。

しかしながら、難民問題の現状はヨーロッパ諸国だけの問題ではない。
シリア内戦で住む場所を失ったシリア人は1100万人を超える。
パレスチナ自治区ガザでは、現在の状況が続けば「人が住めない場所」になると国連が報告している。
ミャンマーでは少数民族のロヒンギャ族がタイやマレーシアなどに脱出している。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の発表で、東南アジアの難民は50万人を超えるとされている。

これで平和な世界だと言えるだろうか。祖国の戦乱で、愛する祖国から逃れる。そのことを私たち日本人は理解できるのだろうか。


記事執筆・Mitsuteru.odo
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