オバマ大統領が先日の銃乱射テロを受けて、ホワイトハウスの大統領執務室から緊急のテレビ演説を行ないました。
ちなみにこの執務室から演説を行なうのは、大統領就任から3回目。強いメッセージを出す意図があったことは明らかです。

地上戦に踏み込めない様々な要因
米軍の正規陸軍が、もしIS戦に参戦すればこのうえない戦果を挙げることは間違いないのです。
にも関わらず、派遣に踏み込めない重大な理由がいくつか存在します。
まずは派遣の前提となる、「当事国」の承認です。
当ブログでも昨日、取り上げましたが、イラク政府はどの軍隊も国内には入れないと明言しています。
これは予想していなかった出来事でした。イラクはマリキ政権後、親米路線とまではいきませんが、イラク戦争後の政治体制を整えるにあたって、少なからずアメリカに依存してきました。
イラク軍の訓練などにも米軍は積極的に取り組み、イラクの復興に人力した経緯がありました。
(そこには当然、日本の自衛隊も大いに貢献したことも覚えておきたい)
しかし、ここにきてイラク政府は「外国部隊はイラクに入れない!」と言ったのです。
IS戦でろくな戦果も挙げられないイラク軍に何ができるのか・・。
アメリカはビックリしたでしょう。それを踏まえた今回の演説だったのです。
地上部隊は派遣せず、地元の軍に任せる。これで地上作戦の有効性は乏しくなったわけですね。
ISは大喜びしたのでないでしょうか?しかし視点を変えてみると、イラクはISを掃討することまでは想定していないのでは?という恐ろしいシナリオも見えてきます。
外交は水面下で動き回っていますから、この点も頭に入れて、国際情勢を俯瞰しましょう。
また、シリアへの米軍の地上部隊の派遣も不可能でしょう。
なぜなら実質アサド大統領が統治していることになっていること。そしてその後ろにはロシアがいる。
シリアへの派遣はイラクよりも厳しいでしょうね。
防がねばならないのは偶発的事故
ロシア機がトルコ空軍に撃墜された事件からわかるように、もうこの地域は各国の戦闘機や偵察機で大混乱になっているわけです。
防衛閣僚間で、偶発的事故を防ぐための取り決めは運用されているようですが、先般のような「領空侵犯」という盾を使うのであれば、それは無意味に終わります。
もし、米軍が地上部隊を派遣すればロシアの空軍は放っておくでしょうか?
いや、絶対にあってはならないことであり、そんなことがあったら間違いなく米露開戦になってしまいますから、可能性は低いですが、ISや他の過激派との地上戦を戦うということは、それなりの「至近距離」なわけです。
そこにロシア機が「援護射撃」をするというオペレーションになっていたとしても、流れ弾が米兵に当たる可能性は排除できないですよね?
これが偶発的事故です。
ましてや、空の上では毎日各国の戦闘機が飛び回っている。
ろくに連合国の枠組みができていないのに、空、地上で高度な作戦を共同で実行するのは困難でしょう。
さらにはカスピ海や地中海では艦隊も展開しているのです。
イラク戦争の疲弊や、テロとの戦いにおいて地上戦は向いていないという論調も左翼メディアを中心に行なわれ
ていますが、それはとんでもない空論だと思います。
現代においても最大の軍事的成果を挙げることができるのは地上部隊・陸軍でしょう。
戦闘の形は確かに変わりました。昔のような陣取り合戦ではなく、ゲリラ戦が普通の時代です。
特殊部隊の実力が問われる中で、アメリカ・ロシアの戦力は随一です。
本来ならば一刻も早く、地上部隊を展開すべきなのでしょう。しかし以上のに示したように、日本のマスコミが問題提起しないような現実があるから、 できないわけです。
オバマ大統領は若干ニュアンスを濁しましたが、まず地上部隊の派遣はありえないと私は推測します。
以上に書いたように、できる状況にないからです。
安倍首相も強いメッセージを!
オバマ大統領は久々に執務室からの演説で、その重要性と緊急性を示しましたが、安倍首相も意志を示すべきです。
「対ISへの過激な言動は控えたほうがいい」
「テロの対象になってしまう」という論調がありますが、とんでもない愚論です。ありえないほど国際社会を理解していません。
まず、ISに対してメッセージを発していなくても日本はテロの対象です。人質が殺害されたことをもう忘れたのでしょうか?国際社会から見れば
「日本はなんで何もしないの?」「湾岸戦争時と同じく、またお金を出して終わりか?」と思われています。
しかし平和ボケしている自称リベラルの方々はそれでいいじゃないか、対話をしよう、と言ったりしています。
いいですか?そのような言葉が出てくることが、戦後の日本人の精神を骨抜きにされた証拠なのです。
安倍首相も気持ちを固めて、オバマ大統領に応えるべきです。
両氏は日米同盟の重要性を正しく理解し合える最高のパートナーです。
安倍首相も、首相官邸の正面玄関などでレベルの低い記者は抜きにして、テレビカメラの前で国民にメッセージを送るべきです。切に願います。
記事・TERU
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ちなみにこの執務室から演説を行なうのは、大統領就任から3回目。強いメッセージを出す意図があったことは明らかです。

以下に演説のポイントをまとめました。オバマ大統領は演説で、銃乱射事件の容疑者らは「過激化という闇の道」をたどり、欧米との戦いを呼び掛ける「ゆがんだ形のイスラム教」を信奉していたと述べた。
「テロの脅威は現実だ。我々はその脅威に打ち勝つ」と強調。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」をはじめ、「我々に危害を与えようとするテロ組織は壊滅させる」と表明した。
CNNより引用 http://www.cnn.co.jp/usa/35074546.html
・有志国連合による空爆と地元の地上部隊の作戦を軸にしたIS掃討戦略を続ける
・長期にわたり犠牲の大きい地上戦」に踏み込むべきではないと語り、大規模な地上部隊派遣はすべきでないとの立場を改めて強調
・「米国とイスラム教徒の戦い」ととらえるべきではないと警告
・カリフォルニア州の事件を受けて、安全保障のためには銃規制が必要と主張
・シリコンバレーのIT企業に対して、攻撃の計画などに交流サイトや電子機器を利用する過激派組織への対処で協力を要請 地上戦に踏み込めない様々な要因
米軍の正規陸軍が、もしIS戦に参戦すればこのうえない戦果を挙げることは間違いないのです。
にも関わらず、派遣に踏み込めない重大な理由がいくつか存在します。
まずは派遣の前提となる、「当事国」の承認です。
当ブログでも昨日、取り上げましたが、イラク政府はどの軍隊も国内には入れないと明言しています。
これは予想していなかった出来事でした。イラクはマリキ政権後、親米路線とまではいきませんが、イラク戦争後の政治体制を整えるにあたって、少なからずアメリカに依存してきました。
イラク軍の訓練などにも米軍は積極的に取り組み、イラクの復興に人力した経緯がありました。
(そこには当然、日本の自衛隊も大いに貢献したことも覚えておきたい)
しかし、ここにきてイラク政府は「外国部隊はイラクに入れない!」と言ったのです。
IS戦でろくな戦果も挙げられないイラク軍に何ができるのか・・。
アメリカはビックリしたでしょう。それを踏まえた今回の演説だったのです。
地上部隊は派遣せず、地元の軍に任せる。これで地上作戦の有効性は乏しくなったわけですね。
ISは大喜びしたのでないでしょうか?しかし視点を変えてみると、イラクはISを掃討することまでは想定していないのでは?という恐ろしいシナリオも見えてきます。
外交は水面下で動き回っていますから、この点も頭に入れて、国際情勢を俯瞰しましょう。
また、シリアへの米軍の地上部隊の派遣も不可能でしょう。
なぜなら実質アサド大統領が統治していることになっていること。そしてその後ろにはロシアがいる。
シリアへの派遣はイラクよりも厳しいでしょうね。
防がねばならないのは偶発的事故
ロシア機がトルコ空軍に撃墜された事件からわかるように、もうこの地域は各国の戦闘機や偵察機で大混乱になっているわけです。
防衛閣僚間で、偶発的事故を防ぐための取り決めは運用されているようですが、先般のような「領空侵犯」という盾を使うのであれば、それは無意味に終わります。
もし、米軍が地上部隊を派遣すればロシアの空軍は放っておくでしょうか?
いや、絶対にあってはならないことであり、そんなことがあったら間違いなく米露開戦になってしまいますから、可能性は低いですが、ISや他の過激派との地上戦を戦うということは、それなりの「至近距離」なわけです。
そこにロシア機が「援護射撃」をするというオペレーションになっていたとしても、流れ弾が米兵に当たる可能性は排除できないですよね?
これが偶発的事故です。
ましてや、空の上では毎日各国の戦闘機が飛び回っている。
ろくに連合国の枠組みができていないのに、空、地上で高度な作戦を共同で実行するのは困難でしょう。
さらにはカスピ海や地中海では艦隊も展開しているのです。
イラク戦争の疲弊や、テロとの戦いにおいて地上戦は向いていないという論調も左翼メディアを中心に行なわれ
ていますが、それはとんでもない空論だと思います。
現代においても最大の軍事的成果を挙げることができるのは地上部隊・陸軍でしょう。
戦闘の形は確かに変わりました。昔のような陣取り合戦ではなく、ゲリラ戦が普通の時代です。
特殊部隊の実力が問われる中で、アメリカ・ロシアの戦力は随一です。
本来ならば一刻も早く、地上部隊を展開すべきなのでしょう。しかし以上のに示したように、日本のマスコミが問題提起しないような現実があるから、 できないわけです。
オバマ大統領は若干ニュアンスを濁しましたが、まず地上部隊の派遣はありえないと私は推測します。
以上に書いたように、できる状況にないからです。
安倍首相も強いメッセージを!
オバマ大統領は久々に執務室からの演説で、その重要性と緊急性を示しましたが、安倍首相も意志を示すべきです。
「対ISへの過激な言動は控えたほうがいい」
「テロの対象になってしまう」という論調がありますが、とんでもない愚論です。ありえないほど国際社会を理解していません。
まず、ISに対してメッセージを発していなくても日本はテロの対象です。人質が殺害されたことをもう忘れたのでしょうか?国際社会から見れば
「日本はなんで何もしないの?」「湾岸戦争時と同じく、またお金を出して終わりか?」と思われています。
しかし平和ボケしている自称リベラルの方々はそれでいいじゃないか、対話をしよう、と言ったりしています。
いいですか?そのような言葉が出てくることが、戦後の日本人の精神を骨抜きにされた証拠なのです。
安倍首相も気持ちを固めて、オバマ大統領に応えるべきです。
両氏は日米同盟の重要性を正しく理解し合える最高のパートナーです。
安倍首相も、首相官邸の正面玄関などでレベルの低い記者は抜きにして、テレビカメラの前で国民にメッセージを送るべきです。切に願います。
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