選挙権年齢が18歳以上になるのに伴い、大阪府教育委員会は、すべての府立高校と支援学校で原則1、2年生の間に5時間以上、政治的な教養を高める授業を行うことや、学校内での政治活動を原則禁止することなどを定めた教員向けのガイドラインをまとめました。大阪府教育委員会は、夏の参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上になることから、政治への参加意識を高めるための教育、いわゆる「主権者教育」をどのように行うか教員向けのガイドラインをまとめました。
夏の参院選から18歳にまで選挙権が与えられるのを機に、学校関係者は慌てるように政治教育について考え出している。
しかし、これらのガイドラインといわれるものは「教師の教科書」でしかない。
そんなもので若者の政治的関心は深まらない。
指摘する問題は山ほどある。今回はそれを議論したい。
政治とは教わるものではない

はっきり言わせてもらうと、授業で政治のイロハを教えるのは危険すぎる。
日教組の存在を考えれば理由は明らかだが、教師の全員が全員、公平な政治教育を行えるか疑問だ。むしろ、公平な政治教育など可能なのか?
大人になればなるほど、考え方は偏るものであり、どちらか一方の政治思想に染まっていくものである。

政治は本来、生活のなかにありふれたものであり、政治が変われば、私たちの生活も変わっていく。その「変化」を気付かせることで、政治の重要性がわかるのではないだろうか。
授業の中で政治思想に関するもの(例えば保守やリベラルなど)を細かく教えるのは間違いだと思う。
まだ未熟な10代にその必要はない。社会の仕組みや政治の在り方、国際情勢を把握していない彼等に、政治思想のあらゆるメリットとデメリットを理解できるはずがない。

だとすれば、SEALDsのような高校生のデモ集団も真に日本を巡るあらゆる問題を、理解していないと思われる。
安保法案を戦争法案と呼ぶ時点で、完全に未熟な集団ということを証明しるのではないか?
それより問題なのは、同じ事を言う周りの大人たちなのだが‥。
政治に興味がない本当の理由

そのことを政治に関心のない人々は、知らずに生活している。
政治が持つその権力に気付かずに。
政治に興味がない本当の理由

若者に限らず、日本国民の大多数に言えることなのだが、政治の力を理解できていないと思う。正しく言えば「権力」ということだが、政治がそれなりの実行力を発揮すれば、私たちの生活はあっという間に変わる。
そのことを政治に関心のない人々は、知らずに生活している。
政治が持つその権力に気付かずに。
そして政府や行政は、若者の政治参加を最近になって叫び始めたが、政治に興味のない人々の本音を知らないのではないか。
「政治に期待しても何も変わらない」
「勝手に色々と変えてくれる」
「私一人が興味を持っても何も変わらない」
「政治に関心を抱いても今の生活は大して変わらない」
政府や有識者が考えてるような、いわゆる「お堅い理由」ではなく、このような単純明快な理由がほとんどだ。
特に高校生を含む若い世代にこのような傾向が多い。もちろん30代40代の大人もそうだ。全員ではないが、大多数の「無党派層」と言われる人達はこれにあたる。
政治教育とは政治の権力を知ること

政治の仕組みや議会制の仕組みを教えることは、言うまでもなく必要であり、それが根本になってくる。
教育現場で、具体的な政策論や議論を行う際に気を付けなければならないのは、生徒自らの意見を戦わせること。
そこで教師が介入することは危険である。
議論が片一方に偏ったりすれば制止に入る程度が望ましく、思想の教育は教育現場では必要ない。
まずは正しい知識と、政治の仕組みを知ることが先決だ。何度も言うが、政治的な思想は成人を迎えてからでも身に付けることができる。長い人生で多様な意見を取り入れて成熟させるものなのだから。

政治の現場で一体なにが行なわれているか。
そして自分たちの生活にどれだけ密接に関わっているか。それを教えることだけでも十分なのである。
政治教育の充実化は国家にとっても一種の”賭け”である。
教員の裁量で偏った政治思想を植えつけることができる。
その部分に注視して、今後も取材を続けたい。
記事・大堂 光輝
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