~この記事の要点~
・米特殊部隊シールズ隊員1名
・アレッポ空爆に安保理が非難声明
・イエメン和平にクウェート政府が仲介
おはようございます。
とりまとめ、最新の中東情勢をお伝えします。
ISの攻撃 シールズ隊員が死亡
イラクのモスル近郊の、クルド人部隊の領域にISが襲撃した模様です。
ここで米海軍特殊部隊シールズの隊員、1名が死亡したようです。詳細は以下の通り。
・イラク北部モスル近郊で3日、クルド人部隊の拠点がISの集団に襲われ、米海軍特殊部隊SEALの隊員1人が死亡
・現場はモスル北方約30キロの前線
・ISは車による自爆攻撃を仕掛けたりブルドーザーを使ったりして、クルド人自治政府の治安部隊ペシュメルガの検問所を突破し、さらに3~5キロ離れた基地へ攻め込んだ
・米軍はF15戦闘機や無人機から爆弾20発以上を投下して反撃した
国防総省のクック報道官は「ISを永続的に敗北させることによって、この犠牲に報いる」と述べました。
ISは弱体化しているとお伝えしていきましたが、弱体化自体は間違いないと思います。
しかしながら、前線での戦闘は戦争状態ですから、当然あるわけで、ISの襲撃を読めなかった背景に何があるのか、米軍またはクルド人部隊の作戦に改善の余地があるのかと思われます。
通信傍受や、電子兵器を使用していますので、無線や電話の傍受は必ずしているはずですが、奇襲のような攻撃はなかなか防ぎきれません。アメリカからすればシールズ隊員の戦死はショックだと思います。
テロ掃討は世界の安全に貢献しています。多数の犠牲があることを忘れてはならないでしょう。
安保理が非難決議採択
先日、シリア北部のアレッポで、病院が空爆によって破壊された事実について、国連が動きました。
安保理は本日4日にもアレッポ情勢に関する審議を行う予定です。これに先立ち3日、安保理は別の会合が行われたようで、医療機関に対する攻撃を非難し、それら機関を保護するように求める決議を全会一致で採択しました。
・安保理はシリア等における医療機関に対する攻撃に対する攻撃が増加していることを非難して、関係者に対して医療機関を守ることを求める決議案を全会一致で採択
・このような攻撃は戦争犯罪に当たるとしており、決議はアレッポでの施設に対する攻撃で少なくとも30が死亡した事件から1週間もたたないうちに採択された
・国連事務総長は、関係国がこのような攻撃を止めさせ、違反した者の責任を問うように求めた
この空爆はシリア政府軍、ならびにロシア空軍のによるものとされていますが、ふざけているのか、ギャグなのか、安保理は全会一致で採択しています。(ロシアが入っている)
この事実を無視して、国連は無理やり採択に持ち込むのですから、よく理解ができません。
国連は戦勝国クラブですから、この時代に不向きなのは明らかです。
しかもアメリカの役割もオバマ大統領になってからは見直されてきましたし、国連が何をやるのか、というビジョンが見えづらくなりました。
解決策は国連が考える、という時代は終わったのかもしれません。
イエメン和平の動き
和平が近いとお伝えしてきたイエメンですが、フーシの停戦が守られていないとして、政府側が和平会議の出席を拒否しているところまで、報告しました。ここで新たな動きが。
会議開催地のクウェート政府が昨日3日にも仲介に乗り出して、各方面と接触しているようです。GCCの事務局長も仲介のために3日クウェイトに到着している模様。
一方で情勢は、タエズでフーシ連合が政府軍陣地、民間人地域に対して、ロケット等を激しく発射し、またタエズに対する包囲を強めているようです。
攻撃の対象は特に、タエズの南、および東部地域。
またフーシ連合はタエズの包囲強化に成功し、住民の間の食糧、医薬品の欠乏が激しくなっています。
イエメンでもシリアでもそうですが、和平会議の話が出てからも戦闘は活発化しています。
少しでも和平の主導権を握ろうとする証拠ですね。これは戦後処理問題と理論は同じで、結局戦勝国が強いということ。
日本でもそうですが、軍事的敗北を喫した国や組織は、和平や平和条約締結時に不利な合意を求められるものです。
そのような戦後体質が現代にも染み付いているのですね。中東を注視していれば、毎日様々な動きがありますから、本当に勉強になります。
また、今後はYoutubeにて、音声でも中東のニュースをお伝えしていこうかと思います。
通勤時、暇なときにでも、教養の一つとして、中東情勢・テロ関連のニュースを(日本では報じないニュース)皆様に幅広くお伝えしていきたいと思います。
たまに、動画で姿をお見せしようと思いますが...。
そのなかで今よりも多くの方々に見てもらって、意見交換ができたら嬉しいですね。
では良い、一日を。
Mitsuteru.O
参考引用元
・CNN
・国連ニュースセンター
・アルアラビアネット
Mail:japan.in.the.world919@gmail.com
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