日本が日本であるために


201692日 古川 光輝


悪夢からの解放


 

 ここのところ安倍首相の外交手腕が脚光を浴びるようになってきている。保守、リベラルの垣根を越えて、安倍首相が展開する日本外交の方向性と実績は過去の日本では目にすることができなかった。同盟国のパートナーである米オバマ大統領にさえ、妥協は一切許さない姿勢を貫いているとも聞く。2度目の首相に就任してからの活躍は日米同盟の強固さを復活させ、ほぼ対等に向き合っていける仲を築きあげた。もっとも、リベラルや反安倍思想の持ち主は受け入れたくない事実であろう。


 日米関係が復活したのは安倍首相の外交手腕にある。大国にも「モノが言える」首相として米国務省での認識され、今までの弱腰外交ではなくなったことが信頼を勝ち取る要因となった。例えばシリア空爆時にオバマ大統領から「空爆容認」の打診が日本側にあったが、安倍首相は簡単に首を縦には振らなかった。確かな証拠がなければ空爆は賛成できない、として米当局が用意した証拠の衛星写真などを引っ張り出すことができて、初めて賛成したわけである。


 TPPに関しても同様である。甘利担当大臣を信頼し、徹底的に日本の主張を押し通した。TPPを巡る交渉は熾烈を極め、甘利大臣も体調を壊すほどの交渉だったらしい。しかし政治家はそれくらいやってもらわなくては困る。我々の生活に直結する重要な政策だからだ。これまで、日本政治に命を掛けて国民のために働く政治家は何人居ただろうか。民主党(現民進党)が政権交代を実現させた2009年~2012年くらいまでは悪夢を見ているようだった。経済は低迷し、日米同盟は機能せず、官僚を締め出した結果、政治家の手腕の無さが露呈し、日本政治は国民の信頼を失くしただけでなく、国際的な信用も失った。そこから立て直すのには相当な労力が必要だったはずである。



アメとムチを使い分ける安倍外交


安倍首相



 安倍首相は人間的な温かみを表現しながら、時には優しい口調で国民に問いかけたり、一方で国会での演説のように熱のこもった激しい口調で表現することもある。これを意識的に使い分けることで安倍首相は多くの国民の支持を取り付けた。


 外交でも同じことが言える。ソチで行なわれた昨年の日露首脳会談の際にも通訳だけを残して二人だけで会談を行なった場面がある。「大規模な経済協力をする代わりに領土問題について真剣に考えてくれ」と、プーチン大統領に言ったのではないだろうか。政治にあまり興味に無い方々には安倍首相は温厚で優しいイメージがあると思うが、実はスイッチを使い分けて勝負どころでは激しく交渉し、妥協せざる得ないところは無理をせず、しかし日本の国益を最大限に追求する姿勢を見せる。残念ながら我々国民は、外交については関与できないし、機密文書も読むことはできない。完全に政治家の仕事である。だからこそ外交問題を注視しなければならないのだが、国際的に評価されている安倍外交を見ていると、一定の安心感があるのは私だけではないだろう。



高評価は至るところで



 ここで興味深い記事を紹介したい。韓国メディアの中央日報92日付けの記事で、「中央日報が専門家31人を相手に「主要国の指導者のうち実利外交が最も優れた人物」を尋ねたところ、「安倍首相」と答えた回答者が19人(65.5%)で最も多かった。多くの専門家が「憎らしいが」「認めたくないが」という修飾語を付けながら安倍首相を選んだ」

http://japanese.joins.com/article/153/220153.html


 政治的に敵対?する韓国でさえ安倍首相を評価している。韓国メディアは安倍首相を称える記事をよく載せたものだと感心したが、皆さんはどう感じるだろうか。日本は保守派の存在が多いことから、安倍首相支持者が反安倍を上回っているため、「安倍批判」を抑えることに成功しているが、「反日教育」がされている韓国で、この記事が流れたことは非常に意味のあるものである。


 日本の野党、民進党の蓮舫氏も、オバマ大統領が広島を訪問した際に、「オバマ大統領の広島訪問、そしてスピーチ、被爆者の方と話される姿。この歴史的な声明を実現された安倍内閣の外交は高く高く評価します」とツイートした。批判一辺倒だった民進党の議員からこのような声が聞かれることはかなり新鮮なことであった。


 同盟国のアメリカも日本に力のある指導者が生まれたことを歓迎しているようだ。確かによく考えると、アメリカにとって一番重要な同盟国である日本の指導者が無能で、約束を守らない、すぐに辞任する、そのような指導者では信用できない。まさに「アジアに子供がいる」状態だったはずだ。


 しかし集団的自衛権の限定容認、武器供与の許可、TPPや中東支援など、これまでの日本の首脳にはなかった一歩踏み込んだ姿勢と、アメリカにも対等にモノが言える指導者が生まれたことは本当に幸いなことであった。


 最後に米国務副長官を務めたアーミテージ氏の言葉で締めくくりたいと思う。

「日米同盟強化に向けた安倍首相の強いリーダーシップに感謝する」



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