G20が閉幕しました。安倍首相がこれまでに行ってきた外交は、このG20のためにあったのではないかと思わせるほどの、プロフェッショナルな運営でした。


トランプ氏、中国への追加関税を見送り


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(出典:NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190629/k10011974651000.html?utm_int=news_contents_news-main_002


米中首脳会談が行われ、トランプ氏は中国への追加関税を見送ることを表明しました。恐らく安倍総理が仲介、根回しをしたのでしょう。なぜなら今日、この会談が始まるまでの間に当局者からの会談の見通しの情報が流れなかったからです。


米中首脳会談は以前から決まっていたにもかかわらず、情報が珍しく統制されていたのは、本当にどんな会談になるかわからなかったからでしょう。米メディアも知らなかったようです。このG20大阪を舞台に素晴らしい米中首脳会談になったと素直に評価して良いでしょう。


しかし問題はトランプが米国に帰ってからでしょう。何せディールにこだわる人ですから、中国にとっての収穫であった関税見送りの見返りに、中国に何を要求するのか。恐らくファーウェイ製品の規制緩和は絶対にないでしょう。安倍首相が提唱した「大阪トラック」に含まれるデータ通信のルール策定に米中両者がそれぞれ違う主張を展開しているのですから、今後の交渉はこれまで以上に難航すると思います。


G20は大成功


お世辞でも何でもなく、G20大阪は大成功でしょう。国際政治を驚かすような大きな合意はありませんでしたが、トラブルなく難なく議長として安倍首相はその仕事を全うしました。世界経済、ビッグデータのルール策定、女性活躍、プラゴミ問題など、G20全体で共有した議論は充実していました。


成功と言える理由は、各国首脳同士の会談も多く行われ、その中身も充実していたことでしょう。安倍首相の最大の強みは、どの首脳にも気に入られていること。ドイツの新聞では「安倍首相はみんなのお気に入り」という記事を載せていましたが、在任期間や米国との関係、プーチン氏との個人的な仲のよさ、豪・印・トルコとの良好な関係、イランとの関係を考えれば世界でも稀に見るユーティリティープレーヤーなのです。


そのことを安倍首相自身も理解しており、各国との利害関係の調整役に徹しています。現時点での外交手腕は世界でNo.1でしょう。トランプ氏も公式会見で「安倍首相はいつも通りプロフェッショナルな仕事ぶりだった」と言っていました。わかりやすく的確な評価でしょう。G20が大成功と言えるでしょう。大阪の評価も上がったことだと思います。


(大道 光希)


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