米国とイランの一連の騒動が終息するなかで国際社会はやや安心感が漂いつつありますが、決してそんなことはありません。


イランの革命防衛隊はイラクの米軍基地を攻撃することで一応の報復を終えた形になり、ウクライナ旅客機の撃墜で嘘を付いたことで国民の怒りを買ってしまい、イランはこれ以上動けない状況に陥りました。


このことで、米国やその同盟国への報復は収まったと考えるのは時期尚早です。


革命防衛隊と関わりの深いイラクのシーア派武装組織、AAH(アサイブ・アフル・ハック)は非常に怖い存在です。


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AAHはイラン革命防衛隊から助言や資金面などの支援を受けており、イランの代表的な代理組織です。正式にはイラクのシーア派組織、「人民動員隊」PMFに所属しています。


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AAH代表のカイス・カザリ氏



2006年に組織され、イラク国内の米軍基地への攻撃を繰り返していました。



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現在ではイラク治安部隊などと共に、IS掃討作戦に参加するなどして、対米攻撃を控えていましたが、今回の米イランの騒動、そしてスレイマーニ司令官殺害の舞台がイラクであったことから再び米国に刃を向けようとしています。


押さえておきたいポイントは基本的にテロリストは連続的に大規模なテロを繰り返しません。一定の時間を掛けて、入念な計画を練ります。それは各国の諜報機関との情報戦でもあります。


また、組織の要人が殺害されたあとに大規模なテロをする傾向にありますその後時間を掛けて計画を練り、CIAやモサドに気付かれないように闇に潜むわけです。


またAAHは報復をツイッターで宣言しています。


イラクの「アサイブ・アフル・ハック」は8日、ツイッターで「イランの攻撃は終わった。次は我々の番だ。イラン以上の報復となることを約束する」と声明を出し、米軍への攻撃を続ける構えを示した。


https://www.yomiuri.co.jp/world/20200108-OYT1T50240/



イランがなにもできない状態であること、イランの代理勢力が報復を呼びかけていることを考えれば、テロ攻撃の計画を練っていることは確実です。


では、どこに攻撃を仕掛けるか。


一番有力なのはやはりイラク国内の米軍基地ですが、イランはイスラエルへの敵意も剥き出しにしています。


中東域内の米軍基地への攻撃が濃厚と思われますが、AAHのテロリストや協力者が現地に潜伏しているか、いないかが重要になってきます。


イスラエルや米国国内にも同じことが言えますが、決死の情報収集でテロを防ごうと動いているはずです。


そしてもちろん、日本も警戒すべきです。いつまでも日本が安心安全であると考えるのは大間違いです。普通にテロが起こる可能性があることを頭に入れておくべきでしょう。


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