先の日米首脳会談での重要なポイントは、・尖閣防衛に改めて米軍の関与を確認、・台湾海峡の危機を日米両国で防ぐこと、この2点に尽きるだろう。新型コロナワクチンや気候変動の合意、東京五輪の開催支持など、そんなことはどうでも良くて、本題は「中国をどうするか」である。


全ては台湾海峡から始まると予測
その中でも台湾問題をどうするか、という日本にとって難解な問題にどう向き合うかで、国内の潮目も変わることになる。
保守界隈やネットなどではすでに台湾海峡を中国の好き勝手にさせれば、そのまま尖閣、沖縄本島にも侵略の手が伸びる。「全ては台湾海峡にかかっている」という認識で一致している。新聞もニュースも読まない「大多数」の国民はその事実を知らないが、いつか日本政府は動くだろう。
日米両首脳は「台湾海峡の平和と安定」を共同会見で発表している。両国での紛れもない合意事項である。今後の日米防衛当局は台湾海峡を念頭に動くことになる。すでに事態は深刻で、台湾の報道官は「(台湾海峡は)すでに世界の焦点となっている」と述べている通り、日本は否が応でもその波に飲み込まれることになる。
中国もそのまま黙っているわけがない。4月15日には台湾海峡の南の海域で射撃訓練を行っている。同12日には25機の中国軍戦闘機が台湾の防空識別圏に侵入している。日米は台湾海峡の問題を「平和的に解決する」と宣言しているが、これは表向きの表現であり、中国が挑発をやめない限り、軍事的手段を取らざるえない、というのが本音だ。もはや中国に対して「平和的解決」などそんな甘い言葉が通じるはずがないのである。
大問題は日本国民の覚悟
「海上自衛隊が米艦とともに台湾海峡を通過」「海自と中国空母が一触即発」「ついに海上警備行動を発令」などという衝撃的なニュースが近い将来流れるだろう。予備知識がある人にとっては「ついにこうなったか」と思うが、何も知らない無知は人々は驚くだろうし、そもそも海上警備行動が「戦争状態」であることも知らないだろう。そして意味のない政治批判をする、そんな日本特有の政治・国際問題に無関心な「負のサイクル」に今、日本は苦しんでいるのである。今後何も知らないでは通用しないのである。
日本の弱点はまさにその部分にある。テレビニュース、ワイドショー、そして若者を蝕んでいるSNSの存在が日本をおかしくしている。テレビでは意味のない、役に立たない情報を垂れ流し、日本を平和ボケに洗脳させている悪の根源である。さらに悪なのはSNSである。世の中に無知な小中高生が中毒になっている。勉強もせず、大事なことを何も学ばず、脳内はSNSの短い動画のことで蝕まれているのである。世界は全てその小さな画面にある、と本気で思い込んでいるのである。これは深刻な社会問題である。
「台湾有事」は「尖閣有事」より早く行われるだろう。この有事という言葉も私嫌いなのだが。何か誤魔化しのように聞こえる。
有事=戦争、戦闘なのである。台湾で中国軍との戦闘が起こった場合、日本はどうなるのであろうか。周囲海域は航行できなくなり、東南アジアからの船舶は日本に入れないだろう。サプライチェーンや多くの冷凍加工品は輸入されなくなる。日用品の原材料も入ってこなくなり、物価は急激に上昇するだろう。
生活は一変する。戦争とは新型コロナのそれらと比ではない。
だからこそ戦争を防ぐために国民にこの現状と危機を知らせるべきなのに、それをすべきマスコミは死んでいる。
とはいえ、防衛当局は祖国を守るために国民が無関心であってもやるべきことはやる。
その時、日本人は覚悟を持って中国と向き合うことができるのだろうか。

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