米国が自国第一をやめる?


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国連総会がニューヨークで始まっている。各国首脳の演説が報道されているが、バイデン米大統領の演説がメディアでたくさん報道されている。

バイデン大統領の発言を素直に受け止めれば、「米国は世界の警察を辞める」ということである。第二次世界大戦以降、国際社会に多大な影響力を行使して、ベトナム、ソ連との冷戦、アフリカ大陸、アフガン、イラク。米国は世界の治安に関与する政策を続けてきた。

その過ちと、米国内になんの利益をもたらさなかった戦争(特に対テロ戦に象徴されるアフガン駐留やイラク駐留)は、タリバンやISの台頭を許し、戦争前の姿に後戻りした今の現状を鑑みれば、「米国の失策」と言われても仕方ない。

CNNもこう報じている。

バイデン米大統領は21日、国連総会で演説し、軍事力ではなく「徹底的な外交」を駆使して国際社会の危機解決に取り組む方針を示した。外交政策で「米国第一」を掲げる時代は過ぎつつあるとの安心感を同盟国に与えようと試みた。(CNN)





しかしながら「米国第一」を捨てるなどありえないことである。そもそも国家の外交戦略におい自国の利益を優先することは当たり前のことである。米国や日本でもそうだが、どの国家も自国優先に外交を進めて当然である。そうでなければ自国民の反発は避けられない。

この意味で言うと、バイデン大統領は「もう米国は外国の紛争にいちいち関与しない」と言いたかったのだろう。その点ではトランプ氏の主張と同じであり、バイデン大統領はトランプ氏のような過度な自国優先は取らないだろう。

トランプ氏と違うのは「外交での解決」すなわち「融和路線」で国際社会に対峙するということだ。


それで中国、タリバンと向き合えるのか?


大きな問題がある。それは中国とアフガンを制圧したタリバンだ。

バイデン大統領の国連演説では名指しで特定の国家を批判することをしなかった。
これはどうなのか?
私個人的には反対である。

現在、国際社会のほぼ全域が敵視している中国と、長年戦争してきたタリバン。
なぜ名指しで批判しなかったのか?融和路線とはそういうことではダメだろう。

誰がどう考えても今後の米国の敵国は中国である。そしてタリバンが平和的にアフガンを治めるなど考えられない。ここは明確なメッセージを出すべきではなかったのか。

「挑発を繰り返す中国には釘を刺しておく」
「タリバンの動向は常に注視している」

これくらいのメッセージを出しても良かったのではないのか?
私がここまで主張する理由は、日本は米国と強固な同盟関係だからである。

米国の動向に日本は付いていかなければならない。
バイデン大統領の政策に日本の外交政策は左右される。中国の脅威に直接さらされている日本の立場からすれば、今回のバイデン演説は非常に不満である。

そしてこうした世論を作り上げていかなければならないと、思っている。

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